専門の支援者を育てる話の26回目。
「豊かな人間性」を支える資質として「ディレンマを乗り越える力」を身につける必要がある。
そのことに関して、川村隆彦氏(2006年)は次のように主張する。
【引用はじめ】
実践現場において、支援者は、利用者の価値観とのディレンマだけではなく、同僚、ほかの専門職、あるいは所属する組織の価値観とのディレンマを幾度も経験する。
その場合、支援者の上下関係や力関係により、価値観を押し付けたり、押し付けられたりする。
さらに社会資源が不足することで、思うように利用者の決定を支援できない現実にぶつかる。
ディレンマとは、相反する二つの考えの板ばさみに合い、決めかねる状態である。
解決法がみえないなかでも、支援者は、どちらかを優先し、決定していかなければならない。
(川村隆彦著「支援者が成長するための50の原則」p.87、2006年、中央法規出版刊)
【引用おわり】
支援者は、実践のなかで利用者にとってどちらを選択すべきか迷うことは多い。
最善の選択といっても、妥協が強いられたりするのだ。
理想どおりにいかない。
その場合でも、自分にとってより良い選択に努めることしかない。
現実を踏まえ、その中でもより良い選択である。
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