2020年6月19日金曜日

グリーンスプーンによる言語行動に関する実験

 ミーティングなどで、参加者の発言が少ないので、聞き手が発言の直後にうなずく。
 そうした行動を繰り返すと、本当に発言行動を徐々に増やすことができるのか。
 それについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で182回目となる。

【引用はじめ】


 好子(こうし)=行動の直後に出現すると行動を増やす刺激やできごと

 ミーティングでの社員たちの発言は、「そうですよね!」という承認や賞賛などの好子が出現することで強化される。
 これが、行動の原理の一番目だ。

 好子出現の強化=行動の直後に好子が出現すると行動は増加する

 「大のオトナの行動がこんな簡単なことで変わるなどありえない。これは単なるお話だ!」思うかもしれない。
 しかし、変わるのである。
 直後の好子の出現で発言が変化することを、最初に実験的に証明したのは、1955年に発表されたグリーンスプーンの研究である。
 グリーンスプーンは、75名の学生を被検者にして、思いついた単語を順番に言わせた。
 そして、複数名詞をいったときだけ、さりげなく、うなずいたり、「うんうん」などの肯定的なリアクションを行った。
 すなわち、複数名詞をいう行動を、肯定的なリアクションという好子出現で強化したところ、その回数が有意に増加したのである。
 しかも、このとき被検者は、自分が複数名詞を多用するようになったことに気づかなかった。


 
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.34~p.352008年、日本経済新聞出版社刊)


【引用おわり】

 グリーンスプーンの実験は画期的である。
 言語も条件づけで変えられることを証明したからである。
 相手のさりげない行動が発語を変えることを明らかにしたのだ。
 うなづきやちょっとした肯定的なリアクションでいい。
 相手はそのことにさえ気づかない。

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