ミーティングなどで、参加者の発言が少ないので、聞き手が発言の直後にうなずく。
そうした行動を繰り返すと、本当に発言行動を徐々に増やすことができるのか。
それについて、舞田本では次のように述べている。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で182回目となる。
【引用はじめ】
好子(こうし)=行動の直後に出現すると行動を増やす刺激やできごと
ミーティングでの社員たちの発言は、「そうですよね!」という承認や賞賛などの好子が出現することで強化される。
これが、行動の原理の一番目だ。
好子出現の強化=行動の直後に好子が出現すると行動は増加する
「大のオトナの行動がこんな簡単なことで変わるなどありえない。これは単なるお話だ!」思うかもしれない。
しかし、変わるのである。
直後の好子の出現で発言が変化することを、最初に実験的に証明したのは、1955年に発表されたグリーンスプーンの研究である。
グリーンスプーンは、75名の学生を被検者にして、思いついた単語を順番に言わせた。
そして、複数名詞をいったときだけ、さりげなく、うなずいたり、「うんうん」などの肯定的なリアクションを行った。
すなわち、複数名詞をいう行動を、肯定的なリアクションという好子出現で強化したところ、その回数が有意に増加したのである。
しかも、このとき被検者は、自分が複数名詞を多用するようになったことに気づかなかった。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.34~p.35、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
グリーンスプーンの実験は画期的である。
言語も条件づけで変えられることを証明したからである。
相手のさりげない行動が発語を変えることを明らかにしたのだ。
うなづきやちょっとした肯定的なリアクションでいい。
相手はそのことにさえ気づかない。
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