2020年6月3日水曜日

行動とは死人にはできないこと

 「行動」とは何か。単なる、身体的な動きだけでない。
 考えるとか、悩むとか心の動きも含めて「行動」とする。これが行動分析学のとらえ方である。
 それについて、再び舞田本から見てみよう。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で167回目となる。

【引用はじめ】


 専門用語としての「行動」には独特の定義がある。
 一般的な心理学の定義は「筋肉や腺の働き」、つまり、筋肉を使って身体を動かしたり、汗腺から冷や汗をかいたりする行為のことである。
 しかし、ここでは、「行動とは死人にはできないこと」と定義したい。この方が広義である。
 このように定義すれば、何か手足を使って動くことだけではなく、ものを考えたり、推論したり、記憶したり、プランニングをしたり、相手の気持ちを思いやったり、喜びや怒りを感じることもまた行動とみなすことができる。
 それらの行為は、身体上の動きは見えないとしても、行動の原理によって制御されており、行動分析学の研究の重要な対象となる。
 同時に、死人にはできること、すなわち、「仕事をさぼる」「欠勤する」「働かない」「会議で発言しない」といった非行動、「叱られる」「褒められる」などの受身は行動ではない(つまり、行動とは能動的に何かアクションすることである)と定義することによって、ポジティブ思考に頭を切り替えることができる。

   (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.13~p.142008年、日本経済新聞出版社刊)

【引用おわり】

 「行動とは死人のできないこと」。これを聞くと、なんか奇をてらっていると思うかもしれない。
 でも、「働かない」「働かされる」など、非行動や受身といったことを行動とみなさない。
 物事を積極的にとらえようとするのである。
 行動は能動的なものとする視点の転換なのである。

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