行動の直後の状況変化が行動を制御するというのが、行動分析学の基本である。
行動の直後に、「好子」や「嫌子」が出現するか、消失するかで行動が増えたり、減ったりする。
それについて、舞田本では次のように述べている。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で192回目となる。
【引用はじめ】
好子を使った行動の制御は二種類あった。
嫌子の場合も二種類ある。
課長がなぜ、部下に対して批判的な目つきを日常的に繰り返すのかを分析するために、ダイアグラムを書いてみると次のようになる。
(直前) 「部下が帰り支度をする」→(行動) 「課長が睨む」↑強化→(直後) 「部下が帰り支度をしない」
こうした随伴性で課長の行動は強化されている。
強化の原因は直前直後の「消失の変化」であり、このとき、消失したものは「嫌子」である。
課長が鬼の上司であり続けたのは、部下による嫌子消失で強化されていたからだ。
「嫌子消失の強化」 行動の直後に嫌子が消失すると行動は増加する
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.53、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
「部下が帰り支度をしなくなる」のは、「課長が睨む」からである。
「課長が睨む」直前には、「部下が帰り支度をしていた」。
課長にとって「睨む」のは、「部下が帰り支度をしなくなる」ことを強化するからだ。
部下にとって、「帰り支度しなくなる」のは、「課長が睨む」という「嫌子」が「消失」するからなのだ。
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