私たちは、漠然とした言葉で問題を表現することが多く、問題解決にいたらなかったりする。
それについて、舞田本では次のように述べている。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で186回目となる。
【引用はじめ】
問題はたいてい、漠然とした言葉で表現されることが多い。
「帰りにくい」というのもその典型だ。
行動を随伴性で分析するには、問題をもっと具体的な行動レベルに落とし込む必要がある。
漠然とした問題を行動の言葉に翻訳する作業を「行動的翻訳」という。
具体的に翻訳できたかどうかの目安は、その行動が観察測定できるかどうか考えるとよい。
「帰りにくい」かどうかは、本人はともかく、他者が見ても判断は難しいから、観察測定できない。
では、「定時に帰社しない」という翻訳は可能か?
それでは、「行動とは死人ではできないこと」という行動の定義に反する。
「~しない」という非行動は死人の得意技だからだ。
したがって、正解は「定時に帰社する」である。そしてこの行動がなぜ起こらないのかを分析するのである。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.48、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
仕事が終わっていてもなんだか帰りにくいことが多い。帰宅時間になっても居残っていたりする。
こうした問題をなんとかするには、問題の行動を具体的に定義することが必要である。
それを「行動的翻訳」と呼ぶ。
それにはまず「観察測定」ができること。
「~ない」といった非行動で表現しないことが大事である。
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