行動に問題について、やる気や意欲など心の中に原因があると考えることには、大きな弊害がある。
医学モデルで考えることの問題である。
それについて、舞田本では次のように述べている。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で170回目となる。
【引用はじめ】
医学モデルを使って行動の問題の原因を見つけようとすることには、二つの弊害がある。
一つは、循環論にはまり、本当の原因を見つけられないことだ。
満足な仕事をしないことの原因は、「やる気がない」ことだと考える。
それでは、なぜその部下が「やる気のないやつ」だとわかるのだろう。
それは、期日までに仕事を仕上げないし、質の低い仕事しかしないからである。
すなわち、「やる気のなさ」というのは、「満足な仕事をしない」ことの言い換えにずきない。
やる気というのは、その人の行動につけられたレッテルなのであって、行動の原因ではないのである。
二つ目は、他人のことにせよ、自分のことにせよ、行動を心や性格で説明しようとすると、結局最後は個人攻撃になって、肝心の問題が解決しないからである。
「あいつはやる気がないから」「私は意志が弱いから」と言うのは、単なる批判や自己弁護である。
心理的な問題に関しては、この種の評価をするだけで終わるケースが多いが、そう言ったところで、問題解決にはつながらない。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.15~p.16、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
医学モデルの弊害は、循環論と個人攻撃になることだ。
心の中の「やる気がない」と言ってみたところで、それは仕事が遅い、きっちりやってないといった言い換えにすぎない。
また、性格や意欲などとなれば、もっと努力しろといった批判がましい個人攻撃になってしまう。
それは改善につながらない。
行動の問題を心に求めても成果が上がらないのである。
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