2020年8月6日木曜日

六〇秒ルール

 行動を変えるために大事なことは、行動の直後の状況をどのように変化させるかにかかっている。
 行動の強化や弱化するには、行動の直後に好子や嫌子を出現させたり、消失させたりすることである。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で224回目となる。

【引用はじめ】


 行動を変えるには、強化にせよ、弱化にせよ、行動の直後六〇秒以内が勝負だ。
 相手が行動してから六〇秒以内に褒めたり叱ったりしなければ、十分な強化や弱化の効果は得られない。
 だから、褒めることも叱ることも、ためらってはいけない。
 褒める・感謝する・叱る・怒る、これらはすべてタイミングの良さ、テンポの速さが相手を変えるための鍵を握る。
 あとで「あのときはよくやったね」と言うよりは、ともかくその場で喜ぶほうが相手の行動を変えるには役立つ。
 その場で叱らずに、あとで「あれはよくないよ」などと言うよりは、その場で叱るほうが、相手の悪い行動を弱化するには役に立つ。
 だから、褒めることで相手の行動を変える場合、目指す行動が起こったのを見届けたら、間髪入れずに褒めることを心がけなければならない。

 六〇秒ルール 行動を強化や弱化するときは、行動の直後六〇秒以内が勝負である

 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.112~p.113、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】

 開発会議などにおいて、部下たちの発言が少ない。
 結局、それは上司が部下の発言を強化しなかったからである。
 部下の発言に対し、「ふーん」などと余り関心なさそうな態度を示し、褒めるとか、励ましなどがほとんどない。
 上司による部下に対する弱化とか消去が発言の直後に続いたため、開発会議における発言が少なくなったのである。
 部下の発言を多くするには、ちょっとした発言があったら、すかさず上司は「なるほど」といった関心を示し、ほほえみを返すなどを繰り返すのである。
 部下の発言の直後に好子を出現することこそ大事なのだ。
 それが六〇秒ルールである。

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