2020年8月15日土曜日

消去抵抗

 新しい行動を作り上げる時は、はじめは連続強化によって行う。
 そして、その行動を維持するには、部分強化で行う。
 このことについて、舞田本では次のように述べている。 
 舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で233回目となる。

【引用はじめ】


 新しい行動を作り上げるためには連続強化、出来上がった行動を維持するときには部分強化することが重要だ。
 スポーツのコーチが初心者につきっきりでよい行動を褒めたりするのは連続強化のためだ。
 一方、十分できるようになったら、強化の確率を徐々に減らし、部分強化に変えていく。
 それが消去抵抗のためである。
 実社会においては、望ましいことをしたからといって、いつも認められるとは限らない。
 「よいことをしても認められない」というのは、行動が消去されていることになる。
 つまり、いくら頑張っても誰も認めてくれないという状況が続けば、頑張る気力はどんどん失せていく。
 とはいえ、私たちは経験上、人の行動がそれほど即座に消去されてしまうわけでもないことを知っている。
 電話をかけたときに、相手が電波の届かないところにいたり、会議中で電源を切っていて、すぐに通話ができないからといって、もう二度とその人に電話をかけないなどいうことにはならない。
 行動が強化されなくなってから、完全に行動がなくなるまでに要する時間や行う行動の回数のことを消去抵抗という。 

 
 (舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.118~p.119、2008年、日本経済新聞出版社刊)
                     
【引用おわり】

 部分強化によっても、行動は簡単には消去されない。
 強化がなくなってから、行動が消去するまでには、かなりの時間が必要である。
 行動の消去にあたっては、消去抵抗があることを考慮しておくことが必要である。
 

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