物事に関して悲観的な発言を繰り返す課長は、なぜこうした行動を繰り返すのか。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第122回目である。
【引用はじめ】
ある課長の問題は、物事について悲観的な発言をするということです。
たとえば新製品を発売するときも、彼は「お客様に受けないのではないか」「期待するほど売れないのではないか」「品質問題を起こすのではないか」などと言っていました。なぜ、彼はこのようなことを言うのでしょうか?
行動分析学的に言えば、彼は悲観的な発言をするという行動が強化されていると言えます。
強化とは、行動の直後に、
- 心地よさを感じる
- 苦しみから逃れられる
といった経験をすることです。
ということは、彼は悲観的発言の後で、何らかの心地よさを感じたり何らかの苦しみから逃れたりしていると思われます。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.172~p.173
【引用終わり】
この課長が悲観的な発言をたびたび言うのは、そうした行動の直後に強化されているからだ。「お客様に受けないのではないか」と言ったとき、なるほどと共感して頷く人がいたりするのである。こうなると、こうした悲観的な発言は肯定されたとこの課長は思い込むのである。ますます、いろんな悲観的な発言を飛び出すのだ。
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