2021年5月24日月曜日

消去にはバーストが伴う

  課長さんの悲観的な発言に対し、周囲が無視するなどして消去すると、バーストを引き起こす。「なんだ俺の話を聞かないのか」と怒りかねない。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第136回目である。

【引用はじめ】

消去にはバーストが伴うことがあります。

バーストとは、消去を開始すると一時的に行動が爆発的に増えることです。彼が悲観的に発言をしたときに周りが無視すると、「私の話を聞いているのか!?」とキレて、その発言を大きな声で繰り返すかもしれません。

それでも周りが聞く耳を持たない、つまり無視を続けていれば、彼の発言はいつかやみます。

ですが、無視し続けるのが適当でない場合には、ここで弱化に切り替えてもよいでしょう。たとえば、彼を厳しい目で見ながら、「君の発言はいつも悲観的だから、聞く価値がない。聞いても皆のモチベーションが下がるだけだ」などと言うことです。

舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.184

【引用終わり】

 相手を無視続けるというのは、なかなか難しい。周囲全体で無視することを協力し合わなければならないからだ。そこが消去することの難しさである。

 だから、悲観的な発言などの問題行動に対しては弱化する手続きが必要になってくる。 

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