新製品の発売時に、「楽観的な予測を立てる」ことをしたら、どのような結果になるか。ここで登場する課長さんは、そのことに対して悲観的な発言をすることによって、楽観的な予測では安心感が得られない。もし予測が外れたらという思いが強い。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第124回目である。
【引用はじめ】
楽観的な発言をしたらどうなるか。「きっとこれ、お客様に受けますよ」などと言っておきながら実際には受けなかったとしたら、予測違いを責められるのではないでしょうか。
つまり楽観的発言には、この後に起こることへの不安感が伴うわけです。だから悲観的発言をすれば、こうした不安感から逃れることができるのです。
楽観的な発言をしない理由
先行条件(A)新製品発売時に
⇒ 行動(B)楽観的予測を立てる
⇒ 結果1(C)「もし予測どおりなら、自分の正しさが証明される」という安心感(強化)
⇒ 結果2(C)「もし予測が外れたら、業績が下がる」という不安感(弱化)
⇒ 結果3(C)「もし予測が外れたら、予測違いを責められる」という不安感(弱化)
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.174
【引用終わり】
楽観的な予測を立てたりしたら、予測が外れるかもしれない。それより悲観的な予測の方がそうした不安から逃れられる。だから、楽観的な予測は立てず、悲観的な予測だけ述べたりするのである。常に「悲観課長」として会社では振舞うことになる。新しいアイデアを提案するより、問題を指摘することが多くなるのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿