課長さんがなかなか決断しないのはなぜか。決断によって責任が伴う。それが重荷であり決断しない理由である。決断するという行動を弱化してしてしまうのである。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第126回目である。
【引用はじめ】
課長さんが決断しないという問題について考えましょう。
これは、決断するという行動が消去または弱化されていると考えられます。特にこの場合は、部下から「決めてください」と行動を促されているにもかかわらず、しないのですから、相当に強い弱化が働いていると考えられます。
もし、決断すると、そこには責任が生まれます。何かをやろうと決めたなら、それを最後までやりぬかなければなりません。つまり、決断の直後に負担感が生じます。
特に課長として決めたことは、課員に対する責任も発生することになります。課員が苦労していたら助けなければなりませんし、もし失敗したら、課員からも部長からも責められます。そして課長が代表として何らかの責任をとることになるかもしれません。
こうした可能性が、決断するという行動を弱化しているのです。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.175~p.176
【引用終わり】
課長は決断することが求められる。それができないとしたら、課長の役目を果たしているとは言えない。課員が求めることに応じてないことになる。こうしたことでは、課長の地位にはどんな意味があるのか。逃げ回っているという印象を受け、責任を引き受けない卑怯な課長と尊敬されなくなる。
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