適切な行動ができるようにするために、援助することがしばしば行われる。うまく行動ができないときには、援助を上手にすることが大切である。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第60回目である。
【引用はじめ】
大縄跳びで遊ぶ際に、なかなかタイミングが取れずに、大繩の中に入れない子がいます。こんなとき、「せーの!」と入るタイミングを声で指示したりします。この「せーの!」にあたるものが、「プロンプト」です。
プロンプトとは、「行動の直前に指し示され、正しい行動をする手助けになるヒントとなるもの」です。
政治家が演説するときなどに、立っている斜め前ぐらいに「透明な電子の板の装置」が「プロンプター」です。演説で次に話す内容や言葉が、その板に映し出されているのです。つまりこれは、正しい演説をするためのヒントとなる「プロンプト」なのです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.74
【引用終わり】
簡単にはできないことも、援助のやり方によってはうまくできてしまう。
そうした援助をプロンプトと呼ぶ。
成功体験を積ませるためにもプロンプトをうまく使う必要がある。プロンプトの工夫で、課題がスムーズにいく場合が多い。自発的行動を促す一つのステップとして、プロンプトをうまく使うことである。