2021年8月31日火曜日

プロンプトとは

 適切な行動ができるようにするために、援助することがしばしば行われる。うまく行動ができないときには、援助を上手にすることが大切である。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第60回目である。

【引用はじめ】

 大縄跳びで遊ぶ際に、なかなかタイミングが取れずに、大繩の中に入れない子がいます。こんなとき、「せーの!」と入るタイミングを声で指示したりします。この「せーの!」にあたるものが、「プロンプト」です。

 プロンプトとは、「行動の直前に指し示され、正しい行動をする手助けになるヒントとなるもの」です。

 政治家が演説するときなどに、立っている斜め前ぐらいに「透明な電子の板の装置」が「プロンプター」です。演説で次に話す内容や言葉が、その板に映し出されているのです。つまりこれは、正しい演説をするためのヒントとなる「プロンプト」なのです。 

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.74

【引用終わり】

 簡単にはできないことも、援助のやり方によってはうまくできてしまう。

 そうした援助をプロンプトと呼ぶ。

 成功体験を積ませるためにもプロンプトをうまく使う必要がある。プロンプトの工夫で、課題がスムーズにいく場合が多い。自発的行動を促す一つのステップとして、プロンプトをうまく使うことである。

2021年8月30日月曜日

「確立操作」の例

 動物のトレーニングなどでは、食事制限をしてエサの効果を上げることが行われる。好子としてのエサの強化力を高めることになる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第59回目である。

【引用はじめ】

 先行条件を「遮断」したり、「飽和」させて好子などの効果を増減させるのが「確立操作」である。

 動物のトレーニングでは、エサを魅力的なものにするために、食事を「遮断」してから、トレーニングに臨んだりする。

 同じ「お菓子」であっても、「期間限定!」「ご当地限定!」「先着10名まで!」とすると、その価値が高まり、「買う」という行動がどれだけ強化されるかも変わってきます。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.74

【引用終わり】

 先行条件をうまく「遮断」したり、「飽和」すると、好子としての効果が増減するのである。確立操作を有効に使うことによって、行動を繰り返したり、行動を繰り返さなくなったりするのだ。確立操作は行動の増減に大きく影響することができる。

2021年8月29日日曜日

同じものでも価値が変わる「確立操作」という概念

 「サバの塩焼き」がいくら大好物であっても、お腹が空いている時食べるのと、お腹がいっぱいの時食べるのとでは、おいしさがずいぶん違って感ずる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第58回目である。

【引用はじめ】

 「サバの塩焼き」が大好物であっても、時と場合によっては、この「強さ」が大きく変わってきます。

  • 朝から何も食べずに、やっと夜に食事にありつけた、1か月ぶりに食べる「サバの塩焼き」
  • 直前に外食した後で、お腹がいっぱいのときに、昨晩食べた残りが今日も出てきた「サバの塩焼き」

 同じ「サバの塩焼き」でも、食事をするという行動をより強化する好子としての強さが大きく変わる。好子としての強さを確立する、先行条件の操作のことを「確立操作」というのです。上の例のように「遮断」されていて出てくる好子と嫌子か、逆に「飽和」していて出てくる好子や嫌子では、その強さが違うのです。

 要するに、「確立操作とは、好子や嫌子の力を強めたり、弱めたりする操作のこと」です。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.73

【引用終わり】

 「サバの塩焼き」はお腹が空いた時食べればすごくおいしく感じるし、次に食べらればいいなあと思いも強いものだ。

 それがお腹いっぱいの時、進められても積極的に食べようとしないはず。

 そのように、先行条件が異なれば、行動にも影響が出て、「サバの塩焼き」がおいしく感じたり、感じなかったりする。 

2021年8月28日土曜日

「消去バースト」に注意

  行動を消去しようとすると、一時的にその行動が急激に増えることがある。それが、「消去バースト」だ。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第57回目である。

【引用はじめ】

 行動の直後に好子が出現しなくなって、消去される直前に、一時的に行動がたくさん増えたり、強さが強くなったりします。これが、「消去バースト」です。

  • 自動販売機で、ボタンを押しても缶ジュースが出てこないと何度もぼたんをたたく
  • ボールペンで字を書いていたが、途中からインクが出なくなったら、強くグルグルとペンを押し付ける
  • 子どもが泣いていたら、いつもお母さんがかまってくれていたのに、かまわないようにしたら、もっと泣くことがひどくなった 

 実際に、消去は、ダメな行動、望ましくない行動をやめさせたいときに用いることが多くなります(アメなしで行動を減らす)。

 好子を出現させない、もしくは嫌子を消失させなければ、最終的に行動は消去されます。

 ただし、その過程で起きる消去バーストのときに、反応してしまったりすると、さらに強化されてしまい、ダメな行動がなかなか消去されない、ということが起きてしまいます。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.72

【引用終わり】

 今まで望ましくない行動が維持されていたということは、行動の直後に好子が出現していた結果である。その望ましくない行動を消去するには、好子を消失することになる。

 実際、好子を消失すると、望ましくない行動は好子が出現するまで繰り返し出現する。それが、「消去バースト」という現象である。

 それを我慢し続けて好子を消失し続ければいずれ、望ましくない行動は消失する。

2021年8月27日金曜日

「消去バースト」とは

 今まで繰り返し表出していた行動が、消去される前に急激に増えることがある。それも一時的なものである。「消去バースト」と呼ばれる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第56回目である。

【引用はじめ】

 行動が「消去」されるときについてくる、「消去バースト」という現象があります。

 「消去バースト」とは、「強化されていた行動が、消去される前に、一時的に爆発的に増える現象」です。

 「消去バースト」には、次のような例があります。

 朝、リビングの電気をつけようと壁のスイッチを押したが、電気がつかない。何度もスイッチをガチャガチャ押したが、結局つかなかったので、スイッチを押すのはあきらめて、そのままにした。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.71

【引用終わり】

 今まで繰り返し表出していた行動は、行動の直後に好子が出現していたからである。その好子が出現しなくなると行動はだんだん表出しなくなる。「好子消失による弱化」である。その消失前に、行動そのものが急激に増える。それが消去バーストである。

 電気のスイッチは押せばいつも明るくなった。ところが、スイッチ押しても明るくならない。そうすると、繰り返し何度もスイッチ押す。しかし、何度押しても電気がつかなく明るくならない。スイッチを押す行動が急激に増えた。これが「消去バースト」と呼ぶ。 

2021年8月26日木曜日

「消去」の例

 「消去」とは、行動の直後の好子がなくなって、その行動が弱化されることである。「消去」の例は多くみられる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第55回目である。

【引用はじめ】

 世の中には「消去」の例が以下のようにたくさんあります。

  • パソコンの電源スイッチを押す(行動)と、電源がついていた(好子出現)のが、いくら押しても電源がつかなくなったら(好子なし)、電源スイッチを押さなくなった(消去)
  • ボールペンを紙に乗せたら(行動)、字が書けていた(好子出現)が、インクが切れて書けなくなったら(好子なし)、ボールペンは使わなくなった(消去)
  • まわりに会社の悪口を言う(行動)と、まわりが「そうですね」と反応していた(好子出現)が、そのうちまわりが嫌になって反応しなくなったら(好子なし)、悪口言わなくなった(消去) 

 何が好子になっているかを見つけることで、その好子を出さなくすることにより、消去することができるのです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.70

【引用終わり】

 今まで行動が強化されていたのが、強化する好子が出現しなくなると、その行動は弱化される。それが消去である。

 特に、望ましくない悪口ばかり言う人に今までは適当につきあっていたが、悪口に対してなんらの対応をせず無視を決め込む。それの繰り返しで、悪口を述べることも減ったなどの事例は、「消去」の手続きである。 

2021年8月25日水曜日

「消去」という概念

 息子に対して親が朝の挨拶していたのだが、思春期になって挨拶がかえってこなくなった。そうなると、いつも間にか互いに朝の挨拶もしなくなっている。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第54回目である。

【引用はじめ】

 「消去」という概念は、「アメとムチ」ではなく、「アメとアメなし」のマネジメントです。

 つまり、「それまで強化されていたものが、行動しても好子が出ない、もしくは嫌子がなくならないと、行動しなくなる」のが「消去」です。

 消去の例は、次のとおり。

  • 毎朝、子どもに「おはよう」と声をかけたら、笑顔で「おはよう」と返してくれた。
  • しかし、思春期になったら返事をしてくれなくなってきた。
  • 私も「おはよう」と声をかけなくなった。 

 いままで、「子どものおはようの返事」が好子になって、「おはよう」と声をかける行動が強化されていた。ところが、そのうち好子が出現しなくなったので、それまで強化されていたあいさつが消去されてしまったのです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.69~p.70

【引用終わり】

 朝の挨拶も互いの好子があって強化されている。子ども側が挨拶をめんどうぐさがってしようとしなくなれば、親の方も自然と挨拶する回数が減り、最終的には「おはよう」という挨拶を言わなくなる。

 親の「おはよう」に対して、子どもが「おはよう」の挨拶がない。「好子消失による弱化」によって、互いの「おはよう」の朝の挨拶は消去してしまうのだ。 

2021年8月24日火曜日

反発を招く「カウンターコントロール」

 人は強制されたり指示されたりすると、反発したり攻撃的になったりする。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第53回目である。

【引用はじめ】

 ABA(応用行動分析学)の専門用語に、「カウンターコントロール」というものがあります。これは、行動自体を直接変えようとすると、それには反発が出るというものです。

 例えば、歩いている途中で目の前に邪魔な人がいると、「ムッ」としてしまいますね。車の運転などでも同様です。

 職場で働いている人たちに、いままでのやり方などに対して、人事部門から「次からはこうやって」などと指示しようものなら、猛反発が起きてしまいそうです。

 行動自体を無理やり変容させようとすると、このように人間は、攻撃的になってしまうのです。

 まわりでできることに力を入れ、抵抗感なく行動を引き出し、自ら繰り返すような、「きっかけ」と「フィードバック」を作っていくことが大事というわけです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.68

【引用終わり】

 無理にやらせてもそのとおりやらないのが普通だ。反発されない程度のやり方を考える必要がある。より良い行動を導くには、相手にとって抵抗感が少ない対応が重要である。

2021年8月23日月曜日

「きっかけ」と「フィードバック」

 ABC分析は、先行条件(A)→行動(B)→結果(C)の流れで考える。それによって、行動がどのように変わるかを明らかにするのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第52回目である。

【引用はじめ】

 人の行動は、「きっかけ」で引き起こすことができ、「フィードバック」で自分から繰り返すようになっていくものです。

 この「きっかけ」と「フィードバック」を考えて、行動が引き起こされ、そして繰り返されるようにするには、どこをどのように変えていけばよいのかを、職場の問題として考え、実施していくことが大切です。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.67~p.68

【引用終わり】

 ABC分析では、先行条件(A)が「きっかけ」であり、結果(C)が「フィードバック」である。

 行動(B)は、先行条件(A)の「きっかけ」によって引き起こされ、結果(C)の「フィードバック」によって繰り返されるのである。

 

2021年8月22日日曜日

本人しかできないこと、まわりができること

 ABC分析において、行動の主体は誰になるかを考えて対応する必要がある。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第51回目である。

【引用はじめ】

 「A 先行条件」「B 行動」「C 結果」のそれぞれについて、行動の主体が誰になるか、に注目してみましょう。

 「A 先行条件」 「笑顔でにぎやかな会議」 (行動するのは「まわり」)

 「B 行動」 「発言した」 (行動するのは「本人」)

 「C 結果」 「いい意見だね!」 (行動するのは「まわり」)

 「A 先行条件」は、「まわり」でできること、「B 行動」は、「本人」しかできないこと、「C 結果」は、「まわり」でできることです。

 このように、それぞれ誰が働きかけをすることができるか、と考えると、「B 行動」は、結局のところ本人しかできず、最終的に、まわりにはどうしようもできないことなのです。

 しかし、「A 先行条件」と「C 結果」は、まわりでやろうと思えば、いくらでもやれることなのです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.67

【引用終わり】

 新人のFくんが、会議で発言を繰り返すようにするには、ただ単にFくんが「消極的だ」「ゆとり世代だ」と本人のせいばかりにしても問題は解決しない。Fくんの発言を促す周りの人たちの対応をもっと工夫することである。

 特に、Fくんの発言に対する直後の周りの反応である。「いい意見だね!」といった肯定的な反応ができるかどうかである。

 さらに、Fくんの直前の周りの雰囲気が、わきあいあいで発言がどんどん出るようだと、Fくんも発言することになるだろう。周りの人たちがFくんをリードできるようにすることが大事である。 

2021年8月21日土曜日

積極的に発言するためのABC分析

 新人のFくんが、積極的に発言するようにするにはどうするか。ABC分析でその改善策をさまざま考えてみる。その中で、適切なものを試してみるのだ。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第50回目である。

【引用はじめ】

 Fくんが積極的に発言するようになるための改善案をABC分析すると次のようになります。

 A 先行条件 「笑顔でにぎやかな会議」「ドンドン発言しよう!」「紙に書いて発表する」「外でのランチミーティング」

 B 行動 「発言した」

 C 結果 「いい意見だね!」「発言をありがとう!」「みんながうなずく」「拍手が起こる」 (好子出現による強化)

 Fくんの、「発言する」という行動は、改善前に比べて、かなり増えてきます。これらの改善案のうち、より効果的に発言が増えるようなものを見つけ、それを職場での決まり事として、しくみ化するのです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.66

【引用終わり】

 Fくんが会議で発言すると、その直後の結果(C)がどうなるか。発言を促す対応によって、発言を繰り返すようにするのだ。それが、「好子出現による強化」である。

 また、発言しやすい、直前の先行条件(A)工夫するといい。会議で発言しやすい雰囲気づくりである。 

2021年8月20日金曜日

消極的な新人を積極的に変えた

 新人のFくんは、会議で発言しないということで、「消極的」、「ゆとり世代」なんていうレッテルが貼られた。しかし、発言すると強化されたり、発言するきっかけをつくったりすることが功を奏した。発言もちゅうちょしなくなった。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第49回目である。

【引用はじめ】

 いままで、消去的というレッテルを貼られていたFくんは、会議では毎回、自分で発言するようになってきました(発言する行動が強化された)。

 すると、まわりの評判も「Fくんって、最近、仕事に対して積極的になってきたよね」と変わってきました。そして今度は、「積極的」というレッテルが貼られたのです。

 これは内面からではなく、行動から先に変えていっています。つまり、消極的なFくんを、積極的なFくんに変えたABA(応用行動分析学)マネジメントということです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.65~p.66

【引用終わり】

 そもそもFくんは、発言しないという消極的だったということでない。たまたまそうした行動を促す組織内の状況がそうさせていた。

 発言しやすい状況にすることによって、Fくんは積極的に発言するようになった。今までとは見違えるようになった。Fくんに対する周りの目も変わった。Fくんは積極的だと言われるようになった。 

2021年8月19日木曜日

先行条件を変える

 新人のFくんにとって、会議で発言することには抵抗がある。そこで、発言しやすくするにはどうするか。発言したら、「いい意見だね」とか「みんながうなずく」などの行動の直後の結果が肯定的であることも大事。

 また、会議そのものの雰囲気を変えることも必要である。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第48回目である。

【引用はじめ】

 「シーンとしている会議」も、発言しやすくなるような、会議の状況にすることで改善できます。

 A 先行条件「シーンとしている会議」 (行動を引き起こしにくい)

 これを次のようにしたらどうでしょう。

 「笑顔でにぎやかな会議」、「ドンドン発言しよう!」、「紙に書いて発表する」、「外でのランチミーティング」

 このように、より発言を引き起こしやすい先行条件をつくることも、行動を変えるやり方の一つです。

 「C 結果」は、行動を繰り返させるための「フィードバック」であり、「A 先行条件」は、行動を引き起こす「きっかけ」となるのです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.64~p.65

【引用終わり】

 会議がシーンとしている状況では、新人にとって発言するにはハードルが高い。発言しやすい会議の雰囲気をつくることが大切だ。気楽に発言できる「先行条件」があるといい。 

2021年8月18日水曜日

行動の直後の結果を変えた改善策

 新人のFくんが会議で発言しない。上司から「つまらない発言をするな」と言われたせいでもある。Fくんが消極的な性格とか、ゆとり世代だからのせいにしても、なんら改善にはつながらない。どうすればよいか。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第47回目である。

【引用はじめ】

 嫌子が出現することで、行動が弱化されるのであれば、好子を出現させて、行動を強化すればいい。

 つまり、Fくんが発言したあとに、何かよいことが起こるように変えていきます。どのような改善策があるでしょうか。

 C 結果 「つまらない意見を言うな!」(嫌子出現による弱化)

 これに対して、次のような「好子」を出現させるのです。「いい意見だね!」、「発言をありがとう!」、「みんながうなずく」、「拍手が起こる」など。

 このように、発言したあとに、好子となりそうな結果を出現させるようにするのです。環境を変えて、行動を強化する改善方法です。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.64

【引用終わり】

 Fくんの発言の直後に「つまらない意見を言うな」という「嫌子」だったりすれば、発言をしなくなる。そうしたことも考えず、上司は「つまらない発言」などという「嫌子」を言ってしまった。これでは、部下は育たない。

 上司には厳しくすればという思いがあったのかもしれない。Fくんは出鼻をくじかれ、意気消沈だろう。発言を控えてしまうのは当然と言っていい。

 まずは励ましの言葉で勇気づける。そこから発言を引き出す必要がある。 

2021年8月17日火曜日

発言しない原因を探る

 新人であるFくんは会議で発言するのは苦手だ。それは、勇気を奮って発言したら、上司から「つまらない発言をするな」と言われた。また、「シーンとした会議」で発言の口火を切るのは難しい。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第46回目である。

【引用はじめ】

 新人のFくんが発言しないのか、事実を観察し、ABC分析を行います。例えば、次のようです。

 A 先行条件「シーンとしている会議」➡ B 行動「発言した」➡ C 結果「つまらない発言を言うな!」

ここでは、「嫌子出現による弱化」が起きています。Fくんが発言した直後に、上司が「つまらない意見を言うな!」と言ったことが嫌子として働いて、行動を弱めています。原因は、Fくんの内面ではなく、嫌子が出現する会議の環境にあります。

もう一つ、Fくんが発言しづらい環境が、「A 先行条件=シーンとしている会議」にもあります。シーンとしている会議の場では、発言するという行動が引き出されにくくなっています。

発言のあとの嫌子(Cの結果)、シーンとしている会議(Aの先行条件)に改善の余地があります。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.63

【引用終わり】

 新人のFくんが発言するには、難しい環境がある。上司からは、ある一定のレベルの発言が求められる。発言したら、「つまらない発言するな」と言われた。会議も積極的にみんなが発言する雰囲気に無い。「シーンとした」会議になっている。

 出席者は発言に慎重だ。これもレベルの高い発言が求められているからだろう。Fくんが消極的だとか、ゆとり世代だからというわけでない。発言を積極的にしようとする環境が不足しているのが原因なのだ。 

2021年8月16日月曜日

発言しないのは「消極的」だからか?

 新人が会議でほとんど発言することがない。消極的だ、ゆとり世代だからと決めつけられる。それは本当だろうか。こんなことをいったからと言って、その新人の発言も多くなることはない。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第45回目である。

【引用はじめ】

 新人のFくんは、会議ではあまり発言しません。まわりからは、消極的な人だと言われています。ゆとり世代だからダメなんだ、という声もあがっています。Fくんの行動をどのように改善したらよいのでしょうか?

まず、「消極的な人」ということは、循環論になって、レッテルを貼っている状態です。会議で発言しないという行動傾向を、別の主観的表現で言っているだけですね。「ゆとり世代」というのもレッテル貼りです。

改善の可能性を少なくしてしまっているだけで、これらのレッテル貼りの表現は決して行動の原因ではありません。

この考え方だと、おそらく、Fくんの内面を積極的にして、会議で発言できる人にしよう、という取り組みになるかと思います。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.62

【引用終わり】

 あの新人は、消極的だから会議での発言が少ないんだ。じゃー、会議での発言が少ないのはなぜなんだ。それは、あの新人が消極的だからだ。ん?、こんな風に循環論に陥るのがおち。

 ただ、発言が少ないことを、消極的と言い換えているに過ぎない。発言が少ないことの原因が明らかになっていない。これでは、発言が少ないことをどうやれば改善できるかが明確にできない。 

2021年8月15日日曜日

山本五十六の言葉は「好子出現による強化」

 山本五十六の言葉は、行動の原理原則に則った内容である。「やってみせて、言って聞かせて、させてみせ」というのは、行動するための「きっかけ」づくり。さらに、「ほめてやらねば、人は動かじ」とうのは、行動の結果が大事と認めているのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第44回目である。

【引用はじめ】

 山本五十六氏は、まずは「やってみせて、言って聞かせて、させてみせ」と言っています。

 これは、「きっかけ」を与えるという先行条件を設定しているのです。

 しかし、それだけではダメと言っています。

 やらせっぱなしではなく、行動した後に、褒めてやらないと、やはり人は動かないといっているのです。

 ABA(応用行動分析学)的な言い方では、「C 結果に好子を出現させる」ということになります。

 「A 先行条件」で、明確にきっかけを与え、「B 行動」したら、「C 褒める」という好子を出現させる。「好子出現による強化」です。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.59

【引用終わり】

 ABA(応用行動分析学)では、「きっかけ=A」⇒「行動=B」⇒「結果=C」によって分析する。

 「きっかけ=A」やってみせる⇒「行動=B」そのとおりにする⇒「結果=C」ほめる

 この一連の行動が、「好子出現による強化」だ。それによって、行動が繰り返されることになる。

2021年8月14日土曜日

人が動くには「きっかり」が必要

 

 人が動くには、ある種の「きっかけ」が必要だ。その「きっかけ」があって行動することになる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第43回目である。

【引用はじめ】

 人は放っておいても、なかなか動きません。動くための「きっかけ」が必要なのです。ABAの言葉では、これが先行条件になります。

        <A 先行条件>         ➡ <B 行動>

  • 信号が青になる         ➡ 道路を渡る
  • よーいドン!            ➡ 走り出す
  • トイレの看板がある   ➡ トイレに入る
  • 地図がある               ➡ 迷わず進める
  • 説明書がある            ➡ 機械が動かせる
  • 子どもが泣く            ➡ 親があやす 

 実は、まったく何もない状態の先行条件から、人が行動を起こすということはありえません。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.59

【引用終わり】

 人の行動を引き出す、「きっかけ」は何か。それがABC分析のA(Antecedent)にあたる「先行条件」である。 

2021年8月13日金曜日

山本五十六氏の有名な言葉

 山本五十六元帥が残した有名な言葉がある。ABA(応用行動分析学)が唱える原理そのものである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第42回目である。

【引用はじめ】

 「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

 これは、海軍の連合艦隊司令長官、山本五十六氏の有名な言葉です。人材マネジメントの本質を、これほどわかりやすく、シンプルにまとめているものは他にないのではないでしょうか。この言葉には続きがあります。

 「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」

 この山本五十六氏の有名な言葉をABA(応用行動分析学)的に考えると、よりわかりやすくとらえることができるのです。 

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.58

【引用終わり】

 人心掌握に長けていた山本五十六元帥は、人の動かし方が分かっていた。それだからこそ、多くから尊敬され、危機に際しても動じることがなかったのである。

 この一言は私たちに多くの示唆を与えてくれる。

 上司たるものどう動けばよいか、互いにどう協力すればよいか短い言葉が教えてくれる。 

2021年8月12日木曜日

会議での発言を否定されたFくん

 ABC分析は行動の前後関係を客観的に分析する。一連の行動の流れがどうなっているか分析するのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第41回目である。

【引用はじめ】

 次のFくんの例をABC分析します。

 「シーンとしている会議の場で、新人のFくんが発言したところ、つまらない意見を言うな、と上司に言われた」

   A 先行条件     B 行動     C 結果

 「シーとしている会議」⇒「発言した」⇒「つまらない意見を言うな」

 これがFくんの発言のABC分析です。これは、「嫌子出現による弱化」です。このような経験をしたFくんは、きっと会議の場での発言は繰り返さなくなっていきそうですね。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.56~o.57

【引用終わり】

 Fくんの発言に対する上司の対応は、Fくんの発言を妨げるようになる。上司が新人のFくんに対して「つまらない発言だ」と断定した。これでは、会議の発言が少ないという状況を、ますます発言しなくなっていく状況をつくりだす可能性がある。

 「つまらない発言」という「嫌子」による「発言しなくなる」という「弱化」をもたらすことになる。
 

2021年8月11日水曜日

ABC分析で改善案を考えつく

 行動の時系列にそって、行動の原因を探ろうとするのがABC分析のやり方である。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第40回目である。

【引用はじめ】

 行動の前後を見た一連の流れを分析するのが、ABC分析です。ABC分析をした結果、どうしてこのような行動が起きているかの原因を見つけやすくなります。

 そして、分析を行うと、どこに原因があって、行動が起きずにいるか、ということが分かりやすくなってきます。

 例えば、同僚の「余計なことをしないで」という発言が嫌子であって、それが「手伝う」という行動の直後に現れたことによって、行動が弱化されていると分析できます。

 ここから、何をどう変えたら、望ましい行動が引き起こされるかどうかの、改善案が考えられるようなってきます。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.55~o.56

【引用終わり】

 「同僚の仕事を手伝った」ら、「余計なことをしないで」と言われた。

 そうすれば、「同僚の仕事を手伝わなくなった」。

「嫌子出現による弱化」の例である。これがABC分析である。


2021年8月10日火曜日

行動の前後の流れを分析

 ABA(応用行動分析学)の行動原理によって、行動の前後関係を分析することをABC分析という。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第39回目である。

【引用はじめ】

 行動の前後を見て、分析することを、「ABC分析」といいます。「ABC」は、それぞれ該当する英語の頭文字を取ったものです。

 A 先行条件(Antecedent)⇒ B 行動(Behavior) ⇒ C 結果(Consequence)

   職場で        ⇒ 同僚の仕事を手伝った⇒ 「余計なことをしないで」 ↓

  • 行動の前には、どのような状況や条件があるのか(A  先行条件)
  • どんな行動をするのか(B 行動)
  • 行動の後には、どのような結果が現れるのか(C 結果) 

 この、行動の前後を見た一連の流れを分析するのが、ABC分析です。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.55

【引用終わり】

 上記の引用した例は、「嫌子出現による弱化」である。「職場で」(先行条件)、「同僚の仕事を手伝った」(行動)ら、「余計なことをしないで」(結果)と「嫌子が出現」した。

 結果が「嫌子」だったので、今後「同僚の仕事を手伝う」ことをしなくなる。

 ABC分析によって、「嫌子出現による弱化」になるということだ。 

2021年8月9日月曜日

ABC分析とは

 ABA(応用行動分析学)の行動原理によって、ABC分析すると行動の流れが見えてくる。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第38回目である。

【引用はじめ】

 行動の前後を見て、分析することを、「ABC分析」といいます。「ABC」は、それぞれ該当する英語の頭文字を取ったものです。

 A 先行条件(Antecedent)

 B 行動(Behavior)

 C 結果(Consequence)

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.55

【引用終わり】

 ABCの3項目で行動の流れを把握することができる。3項目で分析することによって、行動の原因を明らかにできる。行動の変容につながる。

2021年8月8日日曜日

行動の4パターン

 強化、弱化、好子、嫌子の4つの枠組みの組み合わせによって、ABA(応用行動分析学)の行動原理は成り立っている。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第37回目である。

【引用はじめ】

 4つのキーワードの組み合わせによる、行動の4パターンの原則が分析できるようになると、人の行動の見方は180度変わります。いままでは、「やる気がないから手伝わないんだ」とか、「すぐに仕事を振るタイプだ」などのように、内面を原因にしていたり、レッテルを貼ったりして、個人を攻撃していたかもしれません。

 これが、科学的な原理原則に則って、こんなしくみで行動するようになったとか、行動しなくなったというように見えてきます。どうして、行動するのか、しないのか、がパッと分析できるようになるのです。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.53~p.54

【引用終わり】

 4つのキーワードをまず理解する。「強化」、「弱化」、「好子」、「嫌子」の4つを知ろう。次は、それを組み合わせた「行動の4パターン」だ。好子と嫌子が出現するか、消失するかによって、強化されるか、弱化されるかとなる。それが次のとおりだ。

  1. 好子出現による強化
  2. 嫌子消失による強化
  3. 嫌子出現による弱化
  4. 好子消失による弱化                                                           ちょっと違った話題で申し訳ない。本ブログが8月4日(水)に投稿されて以来、今の8月8日(日)まで更新されなかった。それは、ネットが接続できないというトラブルが生じたからである。さまざま試みてもダメ。そこで、「パソコン工房」で診てもらった。ようやく、ネットにつながった。ただ、原因はなんだったか分からずじまい。また、同じようなトラブルになったら困るなあ。

2021年8月4日水曜日

行動の4原則

 ABA(応用行動分析学)によれば、行動には4つ原則がある。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第36回目である。

【引用はじめ】

 人の行動は、ほぼこの4つのパターンで分析できるようになります。原理原則になればなるほど、最少の理論で物事の成り立ちを説明できるようになります。だからこそ「科学」といえるです。まとめると次のようになります。

  1. 行動の後に、好ましい結果(好子)が出たので、行動を繰り返すようになる(好子出現による強化)
  2. 行動の後に、嫌なもの(嫌子)がなくなったので、行動を繰り返す(嫌子消失による強化)
  3. 行動の後に、嫌な結果(嫌子)が出たので、行動を繰り返さなくなる(嫌子出現による弱化)
  4. 行動の後に、好ましいもの(好子)がなくなったので、行動を繰り返さなくなる(好子消失による弱化)

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.51

【引用終わり】

 4つの行動原則は、さまざまな行動を分析するのに役立つ。

 行動の後に、好子が出現するか、嫌子が消失するかによって、行動が繰り返すようになる。すなわち行動が強化されるのだ。

 逆に、行動の後に、嫌子が出現するか、好子が消失するかによって、行動が繰り返さなくなる。すなわち行動が弱化されるのだ。

 このように、4つの原理は行動を分析するのにとても役立つ道具である。

2021年8月3日火曜日

行動は、強化、弱化、好子、嫌子の4つの組み合わせで分析できる

 行動の原理として、4つのキーワードによってうちたてられたのがABA(応用行動分析学)である。4つのキーワードとは、強化、弱化、好子、嫌子である。その組み合わせで、行動を分析するのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第35回目である。

【引用はじめ】

 強化、弱化、好子、嫌子の4つのキーワードを組み合わせることにより、次の4つのパターンができあがります。

  1. 行動の後に、好ましい結果(好子)が出たことにより、人は行動を繰り返すようになる。
  2. 行動の後に、嫌なもの(嫌子)がなくなったことにより、人は行動を繰り返すようになる。
  3. 行動の後に、嫌な結果(嫌子)が出たことにより、人は行動を繰り返さないようになる。
  4. 行動の後に、好ましいもの(好子)がなくなったことにより、人は行動を繰り返さないようになる。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.51

【引用終わり】

 強化、弱化、好子、嫌子の4つの組み合わせとは、次のようなことである。

 好子出現による強化、嫌子消失による強化、嫌子出現による弱化、好子消失による弱化の4つによって行動を分析するのだ。

 強化されれば、行動は繰り返す、逆に弱化されれば、行動を繰り返さなくなる。 

2021年8月2日月曜日

嫌子消失による強化と好子消失による弱化

 行動の直後に、好子(良い刺激)が出現すると強化される。逆に、嫌子(悪い刺激)が出現すると弱化される。それでは、行動の直後に、好子が消失するとどうなるか。また、嫌子が消失すると、どうなるか。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第34回目である。

【引用はじめ】

 「好子出現による強化」と「嫌子出現による弱化」の例とは逆の場合がある。

 「カフェが寒い」⇒「店員に声をかける」⇒「寒くなくなった」 「寒い」という嫌子がなくなった 「嫌子消失による強化」である。

 「カフェで」⇒「たくさん注文する」⇒「お金がなくなった」 「お金」という好子がなくなった 「好子消失による弱化」である。

 榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.50~p.51

【引用終わり】

 嫌子や好子が行動の直後に消失することで、行動が強化されたり、弱化される。店員に声をかけたら、カフェの中が寒くなくなった。カフェが寒かったら、これからは店員に声がけを繰り返すようになることが予測できる。「寒い」という嫌子消失による強化の例である。

 反対に、カフェでたくさん注文して、お金がなくなった。これからはたくさん注文しなくなることが予測できる。「お金」という好子消失による弱化の例である