2021年12月1日水曜日

あいさつをしない元気のない子に育った

 私たちが「性格」と称するものは、生まれてこのかたの「強化履歴」で決まる。「元気な子」は周囲の環境が好子出現による強化の中で育ってきた。「元気のない子」は、周囲の環境が嫌子出現による弱化で育ったのである。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第150回目である。

【引用はじめ】

 Kくんはあいさつをたくさんするようになり、「積極的」で「元気な子」とまわりから言われて、育っていきました。

 一方、別のところに、同じように小さいころに近所の大人に「こんにちは!」と大きな声であいさつをした子どもJくんがいました。

 ところが、相手の大人の機嫌が悪かったのか、「うるさい! 大きな声を出すな!」と怒鳴られました。

 あいさつしたら嫌な結果が出たため、行動は繰り返されなくなります。嫌子出現による弱化です。

 Jくんが次に近所の大人に会ったときには、あいさつという行動は起きませんでした。

 そのまま、自分からはほとんどあいさつをすることのないJくんは、「消極的」で「元気のない子」とまわりから言われて、育っていきました。

榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.179~p.180

【引用おわり】

 Kくんは「元気な子」、Jくんは「元気のない子」と今までの環境によって、そうした「性格」となったということだ。これは「強化履歴」によるものだと認識できれば、今からでも環境さえ変えていけば、「性格」と称するものも変えることができる。

 Jくんに対して、周囲からのかかわりを変えれば、「元気な子」となるのだ。 

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