自分勝手でチームワークのことなどほとんど考えない若手社員に、主任が手を焼いている。忙しい最中に、年休をとったりする。他の仕事の依頼も断る。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第161回目である。
【引用はじめ】
権利や自己主張ばかりする若手社員に、主任が手を焼いている。その社員は急に有休をとったりして、周りが困っているのに「労働者の権利だ」と主張する。仕事をお願いしても「それは僕の仕事じゃない」と平気で言う。チームワークを乱す態度だ。そこで、この若手社員の行動について、現状分析すると次のようになる。
【現状分析】
A:先行条件 「突発業務の依頼がある」「仕事の計画を立てている」「直属の上司が外出中」
B:行動 「僕の仕事でないと言う」
C:結果 「主任のムッとした嫌な顏」(↑) 「普段の仕事は順調に進む」(↑) 「上司には何も言われない」(―)
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.198~p.199
【引用おわり】
自分の仕事以外は、主任がお願いしてもしようとしない。「僕の仕事でないと言う」のだ。
そうなると、主任だって嫌な顔になる。それが彼には強化になっている。
それに、自分の仕事以外のことをやらなくて済むので、自分の仕事は順調に進めることができる。
また、その場には上司がいなかったので、仕事の依頼されたことを断っても何にも言われることがない。「僕の仕事でない」と言っても、若手にはなんにも損なことがない。
そうした「結果」があるから、主任に対して平気で仕事を断るのである。
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