定年間際のベテラン社員が「毎日の業務」に対して、しっかりした仕事をしていない。年下の上司は困っている。どうすれば、満足のいくような仕事をするようになるのか。仕事をしないときの現状分析に対して、今度は改善案を考えてみる。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第160回目である。
【引用はじめ】
【現状分析】
A:先行条件 「まわりは年下」 「簡単な業務」 「評価制度あり」
B:行動 「毎日の業務をする」
C:結果 「誰もチェックしない」(―) 「完了しても手応えなし」(―) 「してもしなくても評価変わらず」(―)
【改善案】
A:先行条件 「年下でもチェックするルール」「少し難しい業務」「評価制度あり」「若手を下につける」
B:行動 「毎日の業務をする」
C:結果 「仕事の出来映えをフィードバック」(↑)(↓) 「完了の手応えあり」(↑) 「評価の反映がある」(↑)(↓) 「若手からの感謝の言葉」(↑)
上記のような改善案では、仕事が増えたり、チェックされたり、難しい仕事を与えられたりで、Oさんは、最初は嫌な顔をして、グチもいったりしてしました。
しかし、難しい仕事をしたあとに、まわりから「さすがOさん!」と言われたり、若手の社員から、いろいろと教えてほしい、と聞いてきて答えるたびに「ありがとうございます!」と声かけられるなどして、Oさんもだんだんと自ら業務に取り組むようになっていました。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.194~p.197
【引用おわり】
ベテラン社員のOさんの「毎日の業務」行動を改善するために、行動の結果を変え、先行条件も工夫した。そのお蔭で、Oさんは業務に対しても積極的な取り組みが見られるようになった。いかに行動の「結果」を変えると、行動が変わっていくかがわかる。その行動を促す「先行条件」も工夫すればいいかがわかる。行動に伴う環境をいかに変えるかが重要である。
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