2021年12月5日日曜日

「一番に電話に出る」を現状分析

  「ゆとり社員」と言われる新入社員は、「電話をすぐに出ない」。上司としてはそれがとても気になっている。それはどうなっているのか。ABC分析によって、現状分析してみるとどうか。

 そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第154回目である。

【引用はじめ】

 「ゆとり社員」の問題点である「電話が鳴っても最初に取らない」ことについて、その行動がよくなるように、その取り組み方を考えました。

 「一番に電話に出ること」をターゲット行動としました。それをABC分析による「現状分析」すると、次のようになります。

 A:先行条件 「先輩も電話に出る」「ルーティンワーク中」「電話応対が慣れていない」

 B:行動  「一番に電話に出る」

 C:結果  「伝言が必要」↓ 「誰からも何も言われない」― 「うまく対応できていない」↓


榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版) p.185~p.186

【引用おわり】

 「一番に電話に出る」ことができてない。それを現状分析してみると、その行動を妨げるいろんなことが起きている。

 電話に出る前の「先行条件」にはおいては、新人よりも先輩がはやく電話に出ている。あるいは、その新人が仕事中だった。また、電話対応が不慣れだ。そういったことがある。

 さらに、電話に出た後にも、新人にとっては効果的なことが起きない。電話の内容を伝言しなければならない。それが負担となる。また、電話に出たからといって特別なことがない。電話の対応がうまくいかず、電話に出たくなくなる。

 要するに、電話に出たら、強化されることなく、弱化されたり、消去されたりしている。

 そうした現状があるので、真っ先に電話に出ることができないでいる。 

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