2022年11月23日水曜日

昇給への期待感ががんばりを促す

 なぜ仕事に打ち込む人がいるのだろうか。昇給といった人事制度が、年度替わりで適用されるようなところだとそのためにがんばる。昇給への期待があるからだ。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第251回目となる。

【引用はじめ】

  • 一生懸命に働く人の中には、来年の昇給を期待してがんばる、という人もいるだろう。
  • がんばった人ほど昇給するような人事制度のもとでは、そうでない制度のもとよりも、人は一生懸命に働くことが多い。
  • だがこれは、60秒ルールからは外れている。
  • きょう一日がんばって目標を達成するのと、昇給するのにはかなりの時間差がある。
  • なぜ、昇給ががんばりのもととなるのだろうか。
  • 正確に言うと、昇給そのものが行動を強化しているのではなく、昇給への期待が行動を強化しているのである。
  • きょうの目標を達成したとき、直後に「これを続けてゆけば、きっと来年は給料がたくさん上がるぞ」と思えるから、「明日もまた、がんばろう」と思うのだ。

舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.45~p.46

【引用おわり】

 仕事がうまくいったなどの達成感は、その仕事の直後に味わえる。その繰り返しが仕事をがんばり続ける。これは、60秒ルールに則った仕事ぶりである。頑張り続けて仕事をしていれば、来年度になると昇給できるというのは、60秒ルールとは異なる原理が働いているのである。昇給を期待して仕事をがんばるというのは、昇給するための人事制度による言語ルールに則った強化もどきの原理によるものだ。


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