行動は簡単には消去されない。消去される前に、その行動が爆発的に増える。バーストという現象が起きる。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第234回目となる。
【引用はじめ】
- 普段なら、子どもが呼べば子どもの顔を見てくれる母親が、たとえば食事の支度で忙しく、子どもに呼ばれてもそちらをみなかった。
- すると子どもは、初めは「お母さん」と普通の声で呼んでいたのが、無視されるうちに「お母さん、お母さん」と何度も切迫して呼ぶようになる。
- そのうち、「お母さん!」と大きな声でわめく。
- しかしそれでも母親がこちらを見なければ、しまいには諦めて声をかけなくなる。
- つまり消去というのは、最終的には行動を消し去るが、しかし初期にはかえって行動の爆発的な増大を招く。
- これをバーストという。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.30~p.31
【引用おわり】
一度定着した行動というのは、なかなか消去されにくい。消去される前に急激にその行動が増えることがある。それがバーストと呼ばれるものである。それが結構やっかいである。バーストが起きて根負けしてついその行動を強化すると、そのあとも再びその行動は続くことになる。良い行動であればいいのだが、困った行動の場合には、ますますそうした行動が増えることになってしまう。要注意である。
0 件のコメント:
コメントを投稿