多くの人たちが仕事にいそしむのはなぜだろう。給料をもらえるからだというのが普通だろう。本当だろうか。行動分析学的には、それは誤りである。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第250回目となる。
【引用はじめ】
- 仕事をするのは、「お給料をもらっているのだから当然だ」という人もいるだろう。
- 給料をもらえるということは、行動分析学的には、どういう意味を持っているのだろう?
- まず給料が振り込まれるのは月末だから、60秒ルールに当てはまらない。
- それ以上に、月給というのは行動を強化する力を持たない。
- たいていの会社では、一生懸命に仕事をしてもしなくても、給料は毎月、同じ額が支払われるからだ。
- 「毎月給料をもらっているのだから、一生懸命に働くべきだ」というのは、建前論としては正しくても、行動分析学的には必ずしも正しいとは言えない。
- それよりも、人が怠けずに働くのは、実際には達成感を感じられるから(心地よさを感じる)とか、上司に睨まれずに済むから(嫌なことを避けられる)とか、クビになる可能性が減るから(不安から逃れられる)といったことである。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.44
【引用おわり】
行動分析学の「60秒ルール」からすると、月給はこのルールにあてはまらない。仕事したらその直後に、月給が必ずしももらえるわけでない。月給は決まった日に、もらえる。今は銀行振込で直接現金などが渡されることもなくなった。月給をもらってうれしいというのも極めて薄くなっている。
社員が仕事をし続けるのは、その達成感、上司などから嫌みなど言われなくなったりする。また、解雇されることもないなどがその大きな理由である。強化、消去、弱化の3原理が働いているということである。
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