私たちの生活では、強化・消去・弱化がつきものであり、そうしたことにさらされて行動している。強化だけであれば、本当に幸せかもしれない。しかし、そうばかりは言ってられないのが、私たちの生活である。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第244回目となる。
【引用はじめ】
- 自分はできるだけ強化を使って人や自分をマネジメントしたい、弱化は使いたくない、と思うかもしれない。
- 強化は行動の後に心地よさを感じさせることだから、強化する側も気持ちがよい。
- 弱化では人の行動の後に、その人に嫌な気分を味わわせるわけだから、必ずしもお互い気持ちのいいものではない。
- 世の中には弱化しなければならない行動がある。
- たとえば各種の規則違反である。
- 交通法規、仕事に関する法令順守、人として守るべき社会的規則など。
- これを徹底させるには、守ったら強化するだけでなく、破ったら弱化することも併せて行わなければならない。
- 規則を破ったらその場で叱られるとか、「これをしたら罰を受ける」という不安を持たせるなどの方策が必要である。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.38~p.39
【引用おわり】
良い行動をすれば、確実に強化されるようにすることは重要だ。しかし、そればっかりでないのが世の常である。悪い行動であれば、弱化や消去されなければうまくいかなくなる。交通違反があれば、交通秩序が保たれない。交通ルールが守られなかったら、減点措置や免許停止などの処罰がある。運転するための違反行動に対する弱化である。こうしたことによって、交通秩序が保たれている。
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