職場などにおいて、新しい提案やアイデアが生まれない。職員もそうしたことに積極的でない。新しいアイデアを提案しても強化されることがないからである。以下、そのことについて、舞田本では、次のように説明している。引用は、通算で第382回目となる。
【引用はじめ】
新しいアイデアが生まれない、提案されないのは、以下のようなことがあるからです。
- 提案しても、「できない理由」を言われて否定される(弱化)
- 提案しても、「検討します」と言われ、いつ結果が出るのか分からない(消去)
つまり、どのようなアイデアを提案しても、否決か持ち越しになり、その場で採用することはないというのです。
しかし、上司の立場からすれば、それは致し方ないとも言えます。余程簡単で小さなものであれば、その場で採用ということもできるでしょう。しかし、たいていの提案は、メリットとデメリット、費用と効果を比較し、実現可能性も見極めながら、やるべきか否かを慎重に検討する必要があります。
斬新なアイデアであればあるほど、そうなります。しかも、やると決まったことでも、すぐに実現できるものは少なく、準備にある程度の時間がかかるものも多いでしょう。だから、提案する側にとっては、すぐに実現されることを望んでいても、提案にはその期待どおりにはなかなかならないのです。
舞田竜宜著・杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」2012年(日本経済新聞出版社刊)p.144~p.145
【引用おわり】
職場では、新しいアイデアを提案しても、きちんと取り上げてもらえない。そうしたことが続けば、職員たちも提案しなくなる。新しいアイデアの提案は、消去され、弱化されるからである。新しいアイデアを強化する機会がなければ、そうした行動は必然的に消去か弱化されることになる。
0 件のコメント:
コメントを投稿