売上向上のために"アップセル"という販促を導入した。顧客に対して、高価な商品を提案する方法である。その結果、売上は伸びなかった。販売員にとっても、そのやり方には抵抗があった。そうした内容について、島宗リーダー本による第262回目の引用である。
【引用はじめ】
焦点化を間違えると、その後の努力が無駄になります。
担当者はこれまで高価な商品を提案するような"アップセル"の販促をしたことがなかったので、会社側は多大な時間と予算を費やして、アップセルの研修を実施しました。売上の目標達成に対する奨励金も用意しました。
ところが、売上は上がりません。それどころかカスタマーサービスの顧客満足度が大きく下がってしまいました。
それまでは顧客の立場にたって電話対応することを重視し、顧客の要望を尊重していた担当者にとっても、会社から一方的に与えられたこの方針転換は受け入れがたいものでした。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.135~p.136)
【引用おわり】
"アップセル"というやり方は、適切な標的行動とは言えなかった。顧客にとって、受け入れがたいものだった。販売員にとっても、顧客をないがしろにしていると思わざるを得なかった。互いがウィンウィンの関係を築ける関係ではなかったのである。あまりにも、売り手側の利益追求ばかりという問題がありありであった。
0 件のコメント:
コメントを投稿