随伴性を変えることで、思いがけないほどの利益を得られることがある。次の事例のように、コンテナ運送会社にとって、積荷の損傷が会社の責任でないのに、事前にその損傷が見逃されていたことで、補償額も半端なものでなかった。そうした内容について、島宗リーダー本による第288回目の引用である。
【引用はじめ】
係員が積荷の査察すべきことをチェックリストにし、これを使って標的行動の達成度を測定し、係員に知らせます。行動目標に関するフィードバックです。一方、支払った補償額は達成目標に関するフィードバックです。これらをあわせて知らせることで、標的行動を強化する随伴性を設定できます。その結果、月額でなんと最大25万ドルに値する損害を事前に発見することができるようになったのです。介入前に比べると50倍近いコストの節減になりました。
いくらなんでもそこまで無駄なお金が支払われていたとは誰も考えていなかったのではないでしょうか。随伴性が変わらないと見えてこないこと、随伴性を変えることで初めて見えてくることがあるのです。
ただ、天に運を任せていては大当たりの確率はジャンクポット並に低いままです。小さな成功から始め、継続し、随伴性を変えることで見えてきたことを手掛かりに次の介入を展開していくことで、大きな成功が生まれるのです。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.145~p.146)
【引用おわり】
ポジィティブな行動マネジメントを運用すると、想像以上の利益をもたらしてくれることも可能なのだ。適切な随伴性を工夫することである。今の問題を随伴性を変えることで、解決を図るのである。
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