適切な行動ができたら、その直後の後続事象においてほめることは大切である。しかし、それだから直前における先行事象である指示や命令が不要とは言えない。それも場合によっては、必要なときがあるのだ。そうした内容について、島宗リーダー本による第292回目の引用である。
【引用はじめ】
どのような状況や場面でも好子を後続事象にのみ使って部下をマネジメントすべきということではありません。
たとえば、新任の部下に、これまで使ったことがない工作機械の操作法を教えるときには、指示が増えるのが自然です。自由にいじらせて事故を起こすことは防がなくてはなりません。
"自主性"を重んじると言っても、重要な得意先に、事前に何のレクチャーもなく、新人を単独で送り込むこともしないでしょう。それが最終的な目標であっても、そこに至る道のりはシェイピングとして計画的、段階的に指導します。
つまり、部下に何か新しい行動を教えるときには、指示をしたり、手本を見せたり、説明したりするなど、先行事象を頻繁に使いますが、部下ができるようになるにつれて、先行事象を徐々に減らしていく工夫が求められます。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.152)
【引用おわり】
新任の部下に対して、どのような指導をすべきか。はじめは、指示、説明、見本などを多く取り入れなければならない。それを理解し、問題なく行動できたら、褒めたり、励ましたりすることになる。はじめは、先行事象を多くし、だんだんと後続事象を多くするのだ。状況に即して随伴性を変えることが必要である。
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