2024年7月8日月曜日

島宗リーダー本286「損害の補償額を大幅に節減」

 コンテナ運送会社にとっては、積荷の事前検査によって、損傷がないかどうか精査することは大事である。運送前に損傷の把握をしておけば、会社の責任は免れ補償金の支払も不要となるからである。そうした内容について、島宗リーダー本による第286回目の引用である。

【引用はじめ】

 積荷の検査に時間をかけすぎて貨物列車に遅れを出してもいけません。作業時間を長引かせずにビデオ映像を効率よく監視する方法が具体的な行動を焦点化され、それを現場の係員に教え、強化する方法も決まりました。

 カメラによる査察に加え、係員が荷物の間を歩き回り、積荷を直に精査することにしたのです。そして、そうすることで支払責任のない補償額がどれだけ減らせているかを係員にフィードバックすることにしました。

 係員が査察すべきことをチェックリストにし、これを使って標的行動の達成度を測定し、係員に知らせます。行動目標に関するフィードバックです。一方、支払った補償額は達成目標に関するフィードバックです。これらをあわせて知らせることで、標的行動を強化する随伴性を設定できます。

 その結果、月額でなんと最大25万ドルに値する損害を事前に発見することができるようになったのです。介入前に比べると50倍近いコストの節減になりました。

(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.145~p.146)

【引用おわり】

 今まで見逃されていた運送前の損傷をいくつも発見するシステムの導入によって、補償金の支払を大幅に減らせるようになった。会社に大きな利益をもたらすことになったのであ。 

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