今まで全然気づいてなかった無駄金を意味もなく支払っていた。それが、ポジィティブな行動マネジメントの導入で、損害を大幅に減らすことができた。やり方しだいでは、大きな利益をもたらすということである。そうした内容について、島宗リーダー本による第287回目の引用である。
【引用はじめ】
積荷の検査では、カメラによる査察に加え、係員が荷物の間を歩き回り、積荷を直に精査することにしたのです。そして、そうすることで支払責任のない補償額がどれだけ減らせているかを係員にフィードバックすることにしました。
係員が査察すべきことをチェックリストにし、これを使って標的行動の達成度を測定し、係員に知らせます。行動目標に関するフィードバックです。一方、支払った補償額は達成目標に関するフィードバックです。これらをあわせて知らせることで、標的行動を強化する随伴性を設定できます。
その結果、月額でなんと最大25万ドルに値する損害を事前に発見することができるようになったのです。介入前に比べると50倍近いコストの節減になりました。
いくらなんでもそこまで無駄なお金が支払われていたとは誰も考えていなかったのではないでしょうか。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.145~p.146)
【引用おわり】
ていねいな積荷検査を数値化して、損傷した積荷を事前に発見した係員を強化するシステムが功を奏したのである。係員にも、会社にも利益をもたらす対策が、大きな効果を上げたと言える。
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