イソップの「狼と羊飼い」の寓話は、消去という行動原理によって説明することができる。そうした内容について、島宗リーダー本による第294回目の引用である。
【引用はじめ】
イソップの寓話「狼と羊飼い」を覚えておられますか?羊飼いの少年は狼から村を守るための見張り役です。ところが1人でいることの寂しさから、少年は狼がきていないときも「オオカミがきたぞ~」と知らせます。知らせを聞いた街の人たちは急いで武器を持ってやってきますが徒労に終わります。
そんなことを何度か繰り返しているうちに、先行事象(A)である少年の「オオカミがきたぞ~」に対し、最初は実行されていた村人の行動(B)も、オオカミという後続事象(C)が出現しないため、消去されてしまいます。
結局、羊飼いの少年は狼が本当にあらわれたときに助けが得られず、食い殺されてしまいます。元々は嘘をつくことのリスクを子どもに教える話ですが、先行事象はそれに引き続く行動が強化されなければ、行動を引き起こす力を失うという、リーダーにとって重要な教訓が含まれているお話でもあります。
(島宗理著 「部下を育てる!強いチームをつくる!リーダーのための行動分析学入門」2015年 日本実業出版社刊、p.153~p.154)
【引用おわり】
「オオカミがきたぞ~」と羊飼いの少年が叫けぶと、村人たちは大変だとみんなで少年のところに駆けつける。しかし、狼がいない。こんなことが何回も繰り返されれば、村人たちは少年のところに駆けつけなくなる。少年の嘘(先行事象)が、村人の行動を強化しない(後続事象)ため駆けつけることを消去してしまう。狼が突然あらわれ、村人の助けが得られず少年は最後狼に食い殺されるのだ。
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