賞与は本当に行動の自発を向上するのに役立つものか。PST分析すると、賞与はPAFという効果が弱いグループになる。そのことに関する、石田本による第126回目の引用である。
【引用はじめ】
賞与というのは、社員のやる気を引き出すのに役立っているか。PST分析すると、賞与は「PAF」である。効果が最も弱いグループに属している。ポジティブ(P)で後(A)で不確実(F)なのが賞与だ。 だからといって、賞与が不必要だということでないが。
ただ、賞与は、行動自発率を上げる効果はきわめて弱い。「今期頑張ったから特別に十万円つけてやる」「君だけ二十万円上乗せしてやる」と言っても、本人は同じ行動を自発的に繰り返そうとはしないだろう。なぜなら、成果を上げて報奨されるまでの時間が長すぎるからであ。成果を上げるたびに賞与を出せば効果的だが、現実問題としてそれは不可能に近い。
(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.148 2007年 ダイヤモンド社刊)
【引用おわり】
賞与は、成果を上げたらすぐ与えられるものでない。一定の期間において与えられる。成果と賞与は関係が薄くなってしまう。成果への影響は極めて間接的と言える。これでは、成果となる行動を高めることにはならないのである。
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