2025年10月3日金曜日

組織が変わる(116) 「マネージャーの行動を変えた」

 若手のマネージャーは、女性社員の不満をまとも聞き入れていた。そのため、困り果てていた。仕事はとどこおるし、同僚にも迷惑をかけている。何とかしたいと上司に相談したのである。上司は的確なアドバイスをしてくれた。そのことに関する、石田本による第116回目の引用である。

【引用はじめ】

 若手マネージャーに対して、女性社員が不平不満を並べ立てる。「トイレが汚い」「パソコンソフトが時代遅れだ」「仕事量の分配が不公平だ」……。マネージャーが素直に対応して問題を解決すると、彼女はすぐに新たな問題を見つけてきて不満を口にする。きりがなかった。マネージャーがまともに相手になったことで「不満を訴える」という行動がリインフォース(強化)されてしまったのだ。

 上司がマネージャーに対して的確なアドバイスをした。それによってマネージャーはこの問題からあっさり解放された。彼女が仕事をしている時だけ席を訪れ、話を聞くこと。以前と同じ不満を口にしたら、怒らせないようにその場を離れること。

 マネージャーがほんの少し行動を変えただけで彼女との行動に変化が表れた。彼女の不満はほぼゼロになり、それと反比例する形で生産性が急上昇した。そのときの効率の上昇率を示したのが右図である。彼女と同僚の人間関係も見る見るうちに好転していった。

(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.135~p.136    2007年 ダイヤモンド社刊)

【引用おわり】

 マネージャーは、不満たらたらの女性社員に対して、仕事に取り組んでいる時だけ相手するようにした。不満を言ったら、うまくその場を離れるようにした。マネージャーは、女性社員の不満をリインフォース(強化)しないようにしたのである。

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