不満ばかりを訴える社員はなぜそうするのだろう。不満を訴えることが、リインフォース(強化)されることに気付くべきなのである。不満を訴えると、思いどおりの結果が起きるからである。そのことに関する、石田本による第115回目の引用である。
【引用はじめ】
結果は人の行動を増やしたり減らしたりする。したがって、行動に影響を与えるには結果に目を向けることが欠かせない。
ある若手マネージャーが上司に訴えた。女性社員の一人に腹が立っているというのだ。彼女は事務所の前で待ち伏せしていて、マネージャーが出てくると仕事場へ引っ張っていく。そして不平不満を並べ立てる。「トイレが汚い」「パソコンソフトが時代遅れだ」「仕事量の分配が不公平だ」……。
マネージャーが素直に対応して問題を解決すると、彼女はすぐに新たな問題を見つけてきて不満を口にする。きりがなかった。彼女とのやり取りに膨大な時間を費やしたが、話し合いはいつも不満のオンパレード。マネージャーがまともに相手になったことで「不満を訴える」という行動がリインフォース(強化)されてしまったのだ。
(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.135 2007年 ダイヤモンド社刊)
【引用おわり】
マネージャーは、女性社員の不満に応えていた。マネージャーにとっては、大したことでないことと思いながらも我慢して不満の解消を行ってきた。女性社員にとっては、それが満足のいくものとなり、少々のことでもマネージャーに訴えることを繰り返すことになった。
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