2025年10月14日火曜日

組織が変わる(127) 「保養施設は自発行動促すか」

 大きな会社では、福利厚生の一環として立派な「保養施設」がある。そうした施設は、社員にとって仕事の意欲を引き出すのに役立っているのだろうか。PST分析をしてみる。そのことに関する、石田本による第127回目の引用である。

【引用はじめ】

 保養施設というのは、社員のやる気を引き出すのに役立っているか。PST分析すると、高級別荘のような保養施設は「ポジティブ」か「ネガティブ」か。もちろんポジティブ「P」に分類される。
 タイミングは「即時」か、それとも「後」か。大口契約を取ってきた翌日に泊まりに行けるわけでないから、後「A」に分類される。
 可能性は「確か」か「不確実」か。会社の繁忙期に休暇を与えられるはずがないので、何か月先になるだろう。したがって不確実「F」に分類される。
 このように、保養施設も「PAF」であることが分かる。これで部下が自発的に行動を繰り返すようになるかというと、効果は期待薄であろう。最も重要なのは「タイミング」なのだ。

(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.148~p.149    2007年 ダイヤモンド社刊)

【引用おわり】

 立派な厚生施設があったからといって、社員の仕事に直接影響与えることは少ない。それは、いい仕事をしたから直ぐにそうした施設を利用できるわけでないからだ。いい仕事したら、タイミングとして「即時」に施設を利用してのんびりできることは滅多にないからだ。ご褒美として、ずっと「後」に休暇をとってその施設がとれるかもしれないが。いい仕事と、施設利用にはタイミング的にへだたりがあり過ぎる。

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