2025年10月25日土曜日

組織が変わる(138) 「PST分析の注意点②」

 PST分析を活用するに当たっての注意点を述べる。反応が生ずる確率、行動の焦点化、本人の視点に留意して分析する必要がある。そのことに関する、石田本による第138回目の引用である。

【引用はじめ】

 職場において何を、どのように変えればいいかを知るには、PST分析がきわめて効果的だ。しかし、初めてこのツールを使う人は誤解することも多い。前回は、1~3について述べた。今回は4~6の注意点を述べる。

4. 反応が生じる確率は100%である必要はない。全ての条件についてパターンや反応を予測するのは不可能だからだ。確率が高いか低いか、それだけを考えればいい。
5. 一つの行動に焦点を当てること。たとえば「時間を守る」という行動を分析するときは「時間を守る」という行動だけを分析する。「作業が遅い」を分析したければ、それとは別に分析しなければならない。
6. 誰の行動を調べたいのか、誰の結果を評価したいのかを決して忘れないこと。社員なら社員の立場に立ち、その視点で考えなければならない。喫煙者はタバコの味がおいしいと言うが、非喫煙者は決して同意しない。考え方は人それぞれだ。パフォーマー本人の視点を忘れた分析は必ず失敗する。 

 (石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.156~p.159    2007年 ダイヤモンド社刊)

【引用おわり】

 PST分析を活用すれば、行動をどう変えればよいか明らかになる。望ましい行動を見い出すためのツールとして、大いに活用できるようにすることである。

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