喫煙習慣を止めたい。それがうまくいかない。なぜか。PST分析によって、それを明らかにしてみる。そのことに関する、石田本による第132回目の引用である。
【引用はじめ】
禁煙させようとして肺がんの写真を見せることがある。タールで真っ黒になった肺はグロテスクだが、それを見たからといって禁煙の強い動機づけにはならない。なぜ彼らはタバコを吸い続けるのだろう。その謎を解くカギは、「タイミング」にある。喫煙によって得られる結果をタイミングの面から分析すると、図15のようになる。ここには一つの傾向が読み取れるだろう。ポジティブな結果の全てが即時(S)であり、ネガティブな結果のほとんどは後(A)に属している。
さらに、可能性についても分析してみよう。喫煙によって得られる結果は、その人に確実に起きるかどうか。図16を見れば分かるように、ネガティブな結果はほぼ全て不確実(F)である。ところが喫煙によって得られる結果のうち、ポジティブな結果はほぼ全て「PST」だ。これがタバコを吸う理由である。タバコを吸えば確実にリラックスできるし、確実に休憩できる。
(石田淳著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」p.152~p.155 2007年 ダイヤモンド社刊)
【引用おわり】
PST分析は、行動した結果をタイプ・タイミング・可能性で分類する。そうすると、喫煙したら、「リラックスできる」「味が美味しい」「満足する」といったことが起きる。それらは、ポジティブ(P)で、即座(S)で、確か(T)といったPSTに分類される。このため、喫煙習慣が継続するのである。
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