2020年1月25日土曜日

皮肉を言う行動の随伴性

 皮肉な言葉を繰り返す職員は、なぜそうするのだろう。
 そのことについて、舞田氏は、「皮肉を言う行動の随伴性」として、次のように説明する。 
 舞田氏による著書の紹介は第41回目である。

 【引用はじめ】

 どんな行動でも、強化の随伴性があるから繰り返される。職員が皮肉に聞こえる言動を繰り返すのも、以下のような好子出現による強化の随伴性が成立しているからである。

  (直前) 周囲が反論しない
→(行動) 職員がネガティブな発言をする
→(直後) 周囲が反論する ↑強化

 職員がネガティブな(皮肉な)発言をすると、周囲が反論する。たとえば彼が「一生懸命に働いたって、ろくなことにはならない」と言えば、周りの人は「そんなことはないよ。努力していれば、必ずよいことがある」と言ってくれる。つまり、職員が皮肉なネガティブなことを言えば、その結果として、一種の励ましが返ってくる。これが彼の行動を維持強化している。
  
  (舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.70~p.71、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 皮肉な言葉を繰り返す職員って、周りからの言葉によって、さらにその行動を繰り返しているのだ。周りから言われれば言われるほど、皮肉な言葉を言い続ける。互いが悪循環になっていることを理解すべきだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿