嫌子とは、「行動の直後に出現すると行動を減らす刺激やできごと」である。
叱責、嫌み、無視、体罰などの相手の嫌がることをすることだ。
これを多用すると、さまざまな副作用を引き起こす。
嫌子を使うことの4番目の問題として、舞田氏は、「望ましい行動を教えていない」ことになると、次のように指摘する。
舞田氏による著書の紹介は第37回目である。
【引用はじめ】
その場面に適切な行動を何も教えていない。
問題行動を弱化したいのはわからなくはない。しかし、問題行動をしなくなることが本当の解決と言えるのだろうか。問題行動をしないだけではなく、その場にふさわしい望ましい行動をすることこそが求められているのではないだろうか。その場面で行うべき適切な行動を強化の原理によって教えていくことが、活気ある会社を作るためには必要だ。もし、問題行動と同時にはできないような望ましい行動があるとすれば、むしろ、その望ましい行動を強化するだけで、自然と問題行動はなくなる。行動分析学では、対立行動分化強化と呼ばれる手法である。
(舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.57、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
問題行動だけに着目するのでなく、望ましい行動は何かを追求することである。
問題行動と同時にできない望ましい行動を強化する手立てを用いる。
こうした手立てによって、問題行動を減らすのだ。
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