定時退社しない理由をダイヤグラムを使って考えるとどうなるか。
それについて、舞田氏は、「定時退社しないのはなぜか?」を、次のような随伴性ダイアグラムを用いて書くといいと述べる。
舞田氏による著書の紹介は第30回目である。
【引用はじめ】
ダイアグラムの書く際は、「行動」の項目から始める。
「職員が定時退社の準備をする」と書き入れる。行動だから、動詞で、動詞の原形で書くこと。また、主語をつけて書く。
次に、「定時退社準備行動」が繰り返されている(増加する)のか、それともやらない(減少する)のか、という点だ。職員たちは帰らないのだから、この行動は減少していると判断できる。行動が減少していることを視覚的に表すために、下向きの矢印つける。
その次に考えることは、この行動が減少する理由である。行動の理由は、直前直後の状況の変化にあるから、この行動の直前と直後に何が起こっているのかを考える。「直後」に何が起こっているかを先に考える。
直後を記入したら、それと対称的な出来事を「直前」に書く。「ない」「ある」の変化を明確にすることが重要だ。ダイヤグラムは次のようになる。
(直前) リーダーが睨んでいない
→(行動) 職員が定時退社の準備をする ↓ 弱化
→(直後) リーダーが睨んでいる
職員が帰社準備をすると、直前から直後にかけて、「睨んでいない」→「睨んでいる」と状況が変化する。この変化が原因となって、定時退社準備の行動が起こりづらくなっている。定時退社行動は、出現の変化によって弱化している。
(舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.50~p.51、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
随伴性ダイアグラムは、次のような手順で書く。
1 行動をまず動詞の原形で書く。
2 直後の状況を書く。
3 行動が増加する↑のか、減少する↓のかを矢印であらわす。
4 直前の状況を「ない」か「ある」の変化の形で明確に書く。
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