問題に関して、どうしても漠然とした言葉でとらえがちだ。
こうすると、問題の解決が難しい。
それについて、舞田氏は、「問題を具体的に行動レベルに落とし込む」必要性を、次のように指摘する。
舞田氏による著書の紹介は第27回目である。
【引用はじめ】
問題はたいてい、漠然とした言葉で表現されることが多い。「帰りにくい」というのもその典型だ。行動を随伴性で分析するには、問題をもっと具体的な行動レベルに落とし込む必要がある。漠然とした問題を行動の言葉に翻訳する作業を、「行動的翻訳」という。具体的に翻訳できたかどうかの目安は、その行動が観察測定できるかどうか考えるとよい。「帰りにくい」かどうかは、本人はともかく、他者が見ても判断は難しいから、観察測定できない。では、「定時に帰社」しないという翻訳は可能か?それでは、「行動とは死人ではできないこと」という行動の定義に反する。「~しない」という非行動は死人の得意技だからだ。したがって、正解は「定時に帰社する」である。そしてこの行動がなぜ起こらないのかを分析するのである。
(舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.48、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
職場が定時になっても「帰りにくい」雰囲気があって、多くの職員が残ってしまっている。
残業しているからといって、能率的に仕事に打ち込んでいるわけでもない。
残ることが「よし」となっている職場だ。
こうしたことの問題を明確な言葉に翻訳して、問題解決につなげることが必要である。
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