嫌子とは、「行動の直後に出現すると行動を減らす刺激やできごと」である。
怒ったり、嫌みを言ったり、無視したり、体罰するなどの相手の嫌がることをすることだ。
これを多用すると、さまざまな副作用を引き起こす。
それについて、舞田氏は、「嫌子がエスカレートして虐待につながりかねない」問題を、次のように指摘する。
舞田氏による著書の紹介は第34回目である。
【引用はじめ】
嫌子出現を繰り返すと耐性がつく。
人は繰り返し与えられる嫌子に慣れ、いずれ行動を弱化できなくなる。いつも叱ってばかりいる上司の説教や叱責や嫌みは、だんだん聞き流すようになる。その結果、行動の弱化のために与える嫌子がエスカレートしていく危険が生じる。はじめは効果があった叱責や嫌みがだんだん効かなくなると、次はもっと強い嫌子、それにも慣れたらもっと強い嫌子とどんどんエスカレートする。相手次第では、これが虐待につながる可能性もある。
(舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.56、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
リーダーが職員の行動に対して、叱責したりおどすなどがエスカレートし過ぎることがある。
こうなると、パワーハラスメントといったことになりかねない。
パワハラによって、職員が委縮し、職場環境を暗くしてしまう。
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