一人のリーダーの悩みに関する相談である。
その悩みについて、舞田氏は、「人にレッテルを貼るな」と、次のように指摘する。
舞田氏による著書の紹介は第40回目である。
【引用はじめ】
リーダーは、頭がいいが皮肉屋な職員を何とか変えたいという悩みがある。その職員を「皮肉屋」というのは慎みたいし、危険でもある。リーダーがネガティブな発言を多発する原因を「皮肉屋だから」と考えては、医学モデルに陥ってしまう。皮肉屋だからネガティブ発言をすると考えるのではなく、人の話に対してネガティブな発言をする傾向のある人に、周囲はわかりやすく「皮肉屋」というレッテルを貼るのだと考えるべきだ。皮肉屋だからネガティブな発言をするのではなく、ネガティブ発言という行動を「皮肉屋」とわかりやすく名づけたにすぎない。
「彼は○○屋だ」という具合に人間を定型的な分類に当てはめることは、人の話をするときには便利な方法だ。日常生活でするぶんにはいっこうにかまわない。しかし、相手の行動を変えようとするときには、意味がないし、そういう捉え方をしている限り、その人は永遠に変わらないし、変える手段も見つからない。人を変えるためには、レッテルではなく具体的な行動に注目しなければならない。それこそが実効性のあるアプローチである。
(舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.69~p.70、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
相手の行動を変えたいと思うならば、抽象的なレッテルで捉えても何ら変わることはない。
具体的な行動で捉えることである。
例えば、「皮肉」とみなされる行動とは何かを追求するのだ。「こんなことって意味があるの」などのネガティブな発言が多い人への対応を考えるべきである。
0 件のコメント:
コメントを投稿