2020年1月17日金曜日

嫌子を使うことの問題

 嫌子とは、「行動の直後に出現すると行動を減らす刺激やできごと」である。
 怒ったり、嫌みを言ったり、無視したり、体罰するなどの相手の嫌がることをすることだ。
 これを多用すると、さまざまな副作用を引き起こす。 

 それについて、舞田氏は、「嫌子を使うことの問題」を、次のように述べる。 
 舞田氏による著書の紹介は第33回目である。

 【引用はじめ】

 嫌子を使う行動の制御は多くの問題がある。それにもかかわらず、人々は嫌子を使って相手をコントロールしようとする。部下に対しても、家族に対しても、子どもに対しても。
 嫌子を使うことの問題は主なものだけで以下の5つである。
  1. 嫌子出現を繰り返すと耐性がつく
  2. 嫌子を与える人間を避けるようになる
  3. 行動が抑制され、新しい行動が生み出されにくい
  4. その場面に適切な行動を何も教えていない
  5. 一時的な効果しかない  
  (舞田竜宣+杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.56~p.57、2008年、日本経済新聞出版社刊)

 【引用おわり】

 嫌子は行動制御になじまない。互いを不快にさせる。即効性があるので、ついつい嫌子を使ってしまう。嫌子の問題をしっかり理解しておかないと。
 嫌子は「耐性」「回避」「抑制」「不適」「一時」といった問題を引き起こすのみである。

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