そのことを、舞田氏は「生得性好子と習得性好子」として、次のように述べる。
舞田氏による著書の紹介は第94回目である。
【引用はじめ】
人間にとって、生まれながらにして好子であるものには、水や食料、暑いときの冷房や、寒いときの暖房、性的刺激など、個体と種の生存に関わるものがある。
それは、生得性好子(生まれながらにして好子である刺激や出来事)と呼ばれるものである。
一方、私たちの社会には、経験によって好子となった習得性好子がたくさんある。
たとえば褒め言葉というものも習得性好子だ。
笑顔や注目も習得性好子だ。
だから、たとえば一度も聞いたことのない外国語で、話し手の顔も見えない状態で褒められたとしても、それが行動を強化する可能性はほとんどない。
つまり、言葉というのは本来的には単なる記号にすぎず、それ自体ははじめから好子でも嫌子でもない。
これらが、行動を強化しうる好子となってのは、生まれたあとのある段階で、生得性好子と同時に与えられた経験があるからである。
たとえば、赤ん坊の頃、母乳やミルクといった生得性好子を養育者から与えられる際には、同時に、笑顔、言葉かけ、やさしいまなざしが与えられることが多い。
その結果、笑顔や、やさしいフレーズの言葉、やさしいまなざしが習得性好子(他の好子と対提示されることで好子としての機能を持つようになった刺激や出来事)になる。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.225~p.226、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
望ましい組織づくりのためには、生得性好子や習得性好子をうまく使う必要がある。
適切な行動の直後に繰り返し、生得性好子と習得性好子が与えられるようにするのだ。
望ましい組織づくりのためには、生得性好子や習得性好子をうまく使う必要がある。
適切な行動の直後に繰り返し、生得性好子と習得性好子が与えられるようにするのだ。
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