2020年3月3日火曜日

裏表のある性格

 行動の原因などについて、いろんな言葉で説明する。
 その説明は性格、資質、才能などに関する名称と言っていい。
 多くの場合、ただ単なる言いかえになっているだけだ。
 
 それに関して、舞田氏は、「裏表のある性格」などと循環論的説明を、次のように述べる。 
 舞田氏による著書の紹介は第78回目である。


 
【引用はじめ】

 
 相手によって態度を変えることを、「裏表のある性格」と呼ぶ。
 「裏表のある性格」だから、相手によって態度を変えるという。
 このように考えると循環論に陥って、的確な説明がができない。
 典型的な医学モデルによる行動観であり、個人攻撃の罠にはまっている。
 二重人格、多重人格は通常、臨床心理学のテーマだが、刺激制御によって説明できる。、  


(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」 p.1922008年、日本経済新聞出版社刊)  
 
 【引用おわり】

 行動に関して、気の利いた説明を尽くしているようだが、循環論で個人攻撃の罠に陥っている説明にしか過ぎない。 
 こうした説明で満足してしまい、本当の理解につながらず、改善するまでにはいたらない。
 単なるレッテル貼りで行動の問題解決には効果を発揮できない。
 解釈した気にさせるだけと言っていい。
 

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