行動の直前から直後の状況変化が行動を制御する。
行動の直後に、今まであった「嫌子」がなくなると、行動が増える。
それについて、舞田本では次のように述べている。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で193回目となる。
【引用はじめ】
上司に説教されると、内心は腹を立てていても、とりあえず「すみませんでした」とあやまることはよくある。
「すみません」という行動が強化されているわけだ。
理由は、あやまることで、直前から直後にかけて、「説教あり」⇒「説教なし」に変化することにあるだろう。
本心に忠実に反論したりすると、ますます説教がエスカレートするが、とりあえず、口だけは「すみません」と言えば、「わかったら、次から気をつけろ」と説教から解放される。
この嫌子消失の変化が、とりあえずあやまる行動を強化する。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.54、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
上記の例をダイアグラムにすると次の通り。
(直前) 上司の説教あり→(行動) 部下が「すみません」と言う↓強化→(直後) 上司の説教なし
上司から説教された。
それで、部下は「すみません」と言った。上司の説教は減った。
部下にとって、上司の説教がなくなるので、「すみません」という行動が強化されたのである。
2020年6月30日火曜日
2020年6月29日月曜日
嫌子消失の強化
行動の直後の状況変化が行動を制御するというのが、行動分析学の基本である。
行動の直後に、「好子」や「嫌子」が出現するか、消失するかで行動が増えたり、減ったりする。
それについて、舞田本では次のように述べている。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で192回目となる。
【引用はじめ】
好子を使った行動の制御は二種類あった。
嫌子の場合も二種類ある。
課長がなぜ、部下に対して批判的な目つきを日常的に繰り返すのかを分析するために、ダイアグラムを書いてみると次のようになる。
(直前) 「部下が帰り支度をする」→(行動) 「課長が睨む」↑強化→(直後) 「部下が帰り支度をしない」
こうした随伴性で課長の行動は強化されている。
強化の原因は直前直後の「消失の変化」であり、このとき、消失したものは「嫌子」である。
課長が鬼の上司であり続けたのは、部下による嫌子消失で強化されていたからだ。
「嫌子消失の強化」 行動の直後に嫌子が消失すると行動は増加する
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.53、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
「部下が帰り支度をしなくなる」のは、「課長が睨む」からである。
「課長が睨む」直前には、「部下が帰り支度をしていた」。
課長にとって「睨む」のは、「部下が帰り支度をしなくなる」ことを強化するからだ。
部下にとって、「帰り支度しなくなる」のは、「課長が睨む」という「嫌子」が「消失」するからなのだ。
行動の直後に、「好子」や「嫌子」が出現するか、消失するかで行動が増えたり、減ったりする。
それについて、舞田本では次のように述べている。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で192回目となる。
【引用はじめ】
好子を使った行動の制御は二種類あった。
嫌子の場合も二種類ある。
課長がなぜ、部下に対して批判的な目つきを日常的に繰り返すのかを分析するために、ダイアグラムを書いてみると次のようになる。
(直前) 「部下が帰り支度をする」→(行動) 「課長が睨む」↑強化→(直後) 「部下が帰り支度をしない」
こうした随伴性で課長の行動は強化されている。
強化の原因は直前直後の「消失の変化」であり、このとき、消失したものは「嫌子」である。
課長が鬼の上司であり続けたのは、部下による嫌子消失で強化されていたからだ。
「嫌子消失の強化」 行動の直後に嫌子が消失すると行動は増加する
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.53、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
「部下が帰り支度をしなくなる」のは、「課長が睨む」からである。
「課長が睨む」直前には、「部下が帰り支度をしていた」。
課長にとって「睨む」のは、「部下が帰り支度をしなくなる」ことを強化するからだ。
部下にとって、「帰り支度しなくなる」のは、「課長が睨む」という「嫌子」が「消失」するからなのだ。
2020年6月28日日曜日
ダイアグラムを書く手順
行動の原因を随伴性ダイアグラム(図示)にするとわかりやすい。
その書く手順にはコツがある。
それについて、舞田本では次のように述べている。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で191回目となる。
【引用はじめ】
行動の原因を随伴性で考えるときは、ダイアグラムを書いてみる。
ダイアグラムを書く手順は次のとおり。
1 誰のどの行動を分析するのかを決め、真ん中の「行動」に書く。
「行動とは死人にはできないこと」という定義を忘れずに。
できるだけ具体的に書く。
2 行動の直後に起こったことを「直後」に書く。
直後とは60秒以内である。
3 行動の直前に起こったことを「直前」に書く。
このとき、直前直後は対称的に(「ある」⇒「ない」またはその逆)。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.52~p.53、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
「課員の定時退社準備行動」の原因を随伴性ダイアグラムにする手順である。
まず「行動」、次に「直後」、そして「直前」の状況の変化がどうなっているか。次のようになる。
(行動) 「課員が定時退社の準備をする」
(直後) 「課長が睨む」
(直前) 「課長が睨んでいない」
これを順に並べ→を入れる。
(直前) 「課長が睨んでいない→(行動) 「課員が定時退社の準備をする」→(直後) 「課長が睨む」
このダイアグラムによって、「課員の定時退社準備行動」は減少するので、「嫌子出現の弱化」だということがわかる。
その書く手順にはコツがある。
それについて、舞田本では次のように述べている。
舞田・杉山氏の共著書の紹介は、通算で191回目となる。
【引用はじめ】
行動の原因を随伴性で考えるときは、ダイアグラムを書いてみる。
ダイアグラムを書く手順は次のとおり。
1 誰のどの行動を分析するのかを決め、真ん中の「行動」に書く。
「行動とは死人にはできないこと」という定義を忘れずに。
できるだけ具体的に書く。
2 行動の直後に起こったことを「直後」に書く。
直後とは60秒以内である。
3 行動の直前に起こったことを「直前」に書く。
このとき、直前直後は対称的に(「ある」⇒「ない」またはその逆)。
(舞田竜宣 + 杉山尚子著「行動分析学マネジメント 人と組織を変える方法論」p.52~p.53、2008年、日本経済新聞出版社刊)
【引用おわり】
「課員の定時退社準備行動」の原因を随伴性ダイアグラムにする手順である。
まず「行動」、次に「直後」、そして「直前」の状況の変化がどうなっているか。次のようになる。
(行動) 「課員が定時退社の準備をする」
(直後) 「課長が睨む」
(直前) 「課長が睨んでいない」
これを順に並べ→を入れる。
(直前) 「課長が睨んでいない→(行動) 「課員が定時退社の準備をする」→(直後) 「課長が睨む」
このダイアグラムによって、「課員の定時退社準備行動」は減少するので、「嫌子出現の弱化」だということがわかる。
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