規則を破る行動を減らすには、消去を使ってもあまり効果がない。弱化の方が効果がある。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第27回目である。
【引用はじめ】
規則を破るという行動を減らすために消去を使ったかどうか。
消去なら、何もしない、強化しない(褒めない、注目しないなど)ということだから、叱るとか罰するよりも、やりやすいと感じる人も多いだろう。
人が規則を破るのは、それによって何らかのメリットがあるからである。自分だけ得できるとか、面倒くさいことをしなくて済むとか。つまり、そこに強化が働いているから、人は規則を破るのだ。
しかし、それに対して、こちらができる消去には、規則を守らなかったら褒めない、といった程度のことでは、規則破りを強化しているメリットの魅力にはなかなか対抗できない。
だが、規則を破ったら怒られる、という弱化を使えば、多少の得があっても、怒られるのが嫌で規則を守る、ということはあるだろう。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.40~p.41
【引用おわり】
人はなぜ規則を破るのか。何らかの強化が働くからである。規則を破ることで得するようなことがあるからだ。
そうならないよう、規則を破った直後に得にならないよう弱化するのである。叱られたり、嫌なことをさせられたりする。罰せられることが必要である。
0 件のコメント:
コメントを投稿