2021年1月28日木曜日

強化と弱化が同時に存在

 人は行動の直後にさまざまな状況にさらされる。その人が行動の直後に「良いことがある」「何も変わらない」「嫌なことがある」などだ。それによって、その行動を、「もっとするようになる」「徐々にしなくなる」「しなくなる」のである。

 そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第24回目である。

【引用はじめ】

 子どもはゲームが好きなのに、勉強をしている間はゲームができない。すると、遊べないということが、「勉強する」という行動を弱化することになる。あるいは、勉強していると、友達から、からかわれることもあるかもしれない。子どもにとって、友達の言動は強烈な影響力を持つので、子どもは勉強しなくなる。

 私たちは、絶えず何らかの強化・消去・弱化にさらされながら生きている。

 それも、同じ行動に対して、複数の強化や消去や弱化が同時に働いていることも珍しくない。

 子どもが勉強するという行動を見ても、「褒められる」「好奇心が満たされる」などによる強化と、「遊べない」「からかわれる」などによる弱化が同時に存在しうる。

 結局、子どもが「勉強する」という行動を頻繁にするかどうか、勉強好きになるかどうかは、その子をめぐる強化と弱化(消去)のどちらかが強いかによって決まるのだ。

 舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.36~p.37

【引用おわり】

 私たちは、さまざまな状況の中で生かされている。強化されたり、消去されたり、弱化されたりしている。こうした複雑な状況を生き抜いているのである。わかりづらくて悩んでしまうことも多い。

 まずは今の状況を明確にして、行動の直後がどのようになっているかはっきりさせることだ。それが強化か、消去か、弱化かを把握するのである。 

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