私たちは、人の行動の良し悪しをその人の性格や人格のせいだという。本当にそうだろうか。
舞田本では次のように別の見方を教えてくれる。その引用は第6回目である。
【引用はじめ】
一般的に、人が問題行動をとるとき、周囲はそれを本人の性格や人格のせいにする。
「あの人は、暗いから」「あの人は、怠け者だから」という具合だ。私たちは誰にでも、無愛想にしてしまう瞬間や、だらだらしてしまうときがあるのではないだろうか。とすると、私たち全員、暗い怠け者ということになるのだろうか?
もちろん、そんなことはない。私たちは、別のときには愛想よく微笑み、また夢中になって何かをする。同じ人間でも、時と場合が異なれば、とる行動は違うのがむしろ普通だ。
だが、もしそうした行動の違いも性格や人格のせいだというならば、私たちは頻繁に性格や人格が変化しているということになる。
人がある行動をとるのは、その人の性格や人格のせいだというのは、間違いなのである。私たちは他人を指差して「暗い」「鈍い」「怠け者」「冷血」などという。だがそれは、相手にレッテルを貼っているにすぎないのだ。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.15
【引用おわり】
人はさまざまな状況の中で、さまざまな行動をする。「あの人はとっても明るい人だ」と言っても、身近な人が不幸になったら「落ち込んで暗い人」と見える。
人はさまざまな状況に応じて、いろんな面があるということだ。一面的に人を見て、決めつけてしまうと相手を誤解してしまう。性格や人格で人を見てしまうことの危険性を知っておくべきである。
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