行動の直後に、相手から「無視される」「相談に乗ってくれない」などが繰り返されれば、相手に相談に行かなくなる。相談のしがいがないのだから。
そのことについて、舞田本では次のよう説明する。その引用は第16回目である。
【引用はじめ】
消去の例
直前「上司の注目なし」⇒行動「部下が上司に相談に行く」⇒直後「上司の注目なし」
直前「問題が解決しない」⇒行動「部下が上司に相談に行く」⇒直後「問題が解決しない」
もし相談に行っても、部下が上司にいつも無視される。もし、あなたが相談に行っても、上司は忙しいのか、こちらを見てもくれないとしたら、あなたはどう思うだろう?
何度もそんな体験を繰り返したら、あなたは、もう相談に行こうとしなくなる。
また、この上司に相談しても、いつも問題は解決しないとしたら、そういう上司にあなたはこれからも相談に行くはずがない。
舞田竜宜著、杉山尚子監修「行動分析学で社員のやる気を引き出す技術」(日本経済新聞出版社、2012年)、p.26~p.27
【引用おわり】
部下が上司に相談に行けば、上司がその相談を真剣に聞いてくれて、問題解決につながれば、上司への相談を繰り返す。そして、その上司を信頼することになる。これが強化の例である。
しかし、上司が部下の相談に対して、うわの空で問題解決につながるようなアドバイスもなかったら、相談などしなくなる。それが消去という行動原理である。
0 件のコメント:
コメントを投稿