ここで取り上げてきた内容は、ABA(えーびーえー、Applied Behavior Analysis、応用行動分析学)と呼ばれるものがベースになっている。個人の心理でなく、個人の行動に焦点を当てて行動の原理原則を解明しようとする学問である。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第20回目である。
【引用はじめ】
ABA(応用行動分析学)は、行動を専門にし、「意思」や「やる気」などの目に見えないものには頼らずに、人の行動を強力に変容させることができる学問です。
「続けられないのは、意思が弱いからだ」「仕事ができないのは、意識が低いからだ」「取りかかれないのは、危機感がないからだ」
いままで、このような考え方で、心のなかをなんとかしようとしてもうまくいかなかったことを、まったく違うアプローチから解決することが、ABA(応用行動分析学)のもっとも得意とすることです。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.39
【引用終わり】
問題となる行動をいかに変えようとするのか。個人の「心」を変えるのでなく、「行動」を変えることに集中する。「行動」の直後にどうなっているかをよく観察して、その状況を変えることによって、その「行動」を変えるのである。
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