人の行動の原因は、「心」だというのが一般常識である。その「心」というのは、行動の事実というより言葉で大まかに概念化したものである。行動を「心」という言葉によって後づけしたのである。
そのことについて、榎本氏は次のように述べる。榎本氏の著書からの引用は第19回目である。
【引用はじめ】
いまの時代、人の行動は、「心」が先にあって、それが「行動」を引き起こしているという考え方が一般的であり、それは常識になっています。
それに対して、「行動」は、実は「心」で引き起こされるのではなく、環境に対する刺激反応の結果にすぎず、「心」というものは、目に見えない概念的な後づけにしかすぎません。
いまの常識から考えると、人間には心があり、意思がある。それを否定するのは人間への冒涜だ、ということになるかもしれません。
榎本あつし著「自律型社員を育てる〖ABAマネジメント〗」2017年(アニモ出版刊) p.33
【引用終わり】
「心」という個人の内面に焦点を合わせることによって、「心」を変えようとすることが多くの誤解を生み出してきた。問題としている「心」は、問題行動の反映にしか過ぎない。
問題行動に焦点を合わせて、どのような状況であれば、その行動が変えられるかを考えるべきなのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿